三菱自動車は11月29日、報酬総額の限度を従来の3倍に当たる年30億円に引き上げる方針を明らかにした。12月14日の臨時株主総会で正式決定する。三菱自の会長には資本提携した日産自動車のカルロス・ゴーン社長が就く予定で、毎日新聞は「高給取りで知られるゴーン氏の報酬対策という側面もありそうだ」と報じた。
三菱自は、29日に自社サイトに掲載した株主総会招集通知の議案として提案に盛り込み、「このようなインセンティブの下で社外や海外も含めた優秀な人材の中から取締役を任命できるようにすることを目的とする」と記した。現在は取締役の報酬総額は年9億6000万円以内だが、これを年20億円に大きく引き上げる。さらに、株価に連動する年10億円以内の報酬を別枠で設定する。
役員報酬の上限を30億円に引き上げるこの案について、東京新聞は「会社の信頼を大きく傷つけた燃費不正問題に対して株主の批判は強く、増額の提案には異論が出そうだ」と論じている。また、毎日新聞は「業績のV字回復が必須になる」として、次のように伝えた。
1990年代後半、経営危機に陥った日産に着任しリストラなどでV字回復させたゴーン氏は、世界的な敏腕経営者として知られる一方、桁違いな報酬額でもしばしば話題になってきた。2015年度に日産から支払われた報酬額は10億7100万円。世界首位のトヨタ自動車社長より多く、民間の信用調査会社、東京商工リサーチによると15年度の国内企業の取締役報酬としては5位だった。(中略)
もっとも三菱自が実際に15年度支払った取締役報酬は、社外取締役を除く10人合計で4億2300万円にとどまり、1人で1億円を超えた取締役はゼロ。16年度は、燃費不正に伴う販売不振などの影響で最終(当期)赤字に転落する見通しで、報酬を増額できる環境にない。ゴーン氏が三菱自から高額報酬を得るためには、業績のV字回復が必須になる。
(三菱自:役員報酬枠3倍増の30億円 高給ゴーン氏対策か - 毎日新聞より 2016/11/30 07:00)
ゴーン氏はフランス・ルノーの会長も兼務しておりルノーからも15年に8億円超の報酬を受け取っている。
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