アメリカ大統領選の共和党候補ドナルド・トランプが選挙戦で掲げた公約の中で最も目を引く(批判を浴びている)ものの1つに、「不法移民の流入を防ぐため、メキシコとの国境に巨大な壁をつくる。費用はメキシコに払わせる」というものがある。
さらに「メキシコの不法移民は麻薬や犯罪を持ち込んでいる。メキシコ人はレイプ犯だ」などと中傷を繰り返してきた。
当然、メキシコ人からの反発は大きい。歴史学者のエンリケ・クラウズ氏は、トランプが度重なる失礼な行為を謝罪するべきだと主張した。
よく聞けトランプ、お前には我々メキシコ人を「犯罪者や強姦犯」と呼んだことへの謝罪しか求めていない。
他にもトランプ氏はいろんな形でメキシコを中傷し、強硬的な主張をしている。ここに列挙してみよう。
メキシコを「敵」と呼び...
トランプはTwitter上でこういう風にメキシコを非難するので有名だ。外交にはふさわしくない。
アメリカはドルを我々の敵に送金するのをいつ止めるのか、そう、メキシコやその他だ。
...そして「我々の友人ではない」と。
メキシコ人は大好きだが、メキシコは我々の友人ではない。国境でアメリカ人を殺し、仕事や取引を奪っている。戦え!
誰かを大好きと言うなら、大文字で強調してまで公式に戦いを挑むべきではない。
メキシコが国境の壁の建設費用を支払うと主張している。
これはくだらないほど非現実的でな考えだ。万が一メキシコ政府が受け入れるとしたら、政治的自殺行為に等しい。あきらめろ、トランプ。
メキシコへの送金を没収すると脅迫している。
トランプ氏がメキシコに国境の壁の建設費用を強制的に支払わせる方法として主張しているのが、メキシコへの送金の没収だ。これは、アメリカに住んでいるメキシコ人たちが、母国の家族に送るお金を指している。何百万もの人々のお金を盗むと脅迫するのは失礼極まりないし、特にその脅迫が口先だけなら、なおさらだ。電信送金を妨害されたら、他のやり方で国外送金をするだろう。
アン・コールターを賞賛している。
アン・コールターは素晴らしい。我々が勝利し、頑丈な壁を建てるのだ。我々が壁を建てて、メキシコが建設費用を支払う。我々は再び偉大になる!
アン・コールターは右翼のコメンテーターで、「我々が信頼するトランプに」というファンブックを執筆している。彼女はラテンアメリカからの移民を非難し、メキシコの現状はアメリカの悲惨な未来の姿だと主張している。彼女の支援を断ち切れば、ラテンアメリカ諸国との緊張関係が和らぐのだが。
アン・コールター
遠回しに、メキシコの偉大な映画監督の1人を馬鹿にしている。
アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督が『レヴェナント』で2015年アカデミー賞最優秀監督賞を受賞したとき、トランプ氏は次のように発言した。
メキシコにとって、アカデミー賞は素晴らしい一夜だっただろう。なぜなら、メキシコは他のどの国よりもアメリカからぼったくっているからだ。
大人の対応を取れ、トランプ。自分が悪かったと認めるんだ。
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ハフポストUS版編注:ドナルド・トランプ氏は世界に16億人いるイスラム教徒をアメリカから締め出すと繰り返し発言してきた、嘘ばかりつき、極度に外国人を嫌い、人種差別主義者、ミソジニスト(女性蔑視の人たち)、バーサー(オバマ大統領の出生地はアメリカではないと主張する人たち)として知られる人物である。
ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。
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