韓国の朴槿恵大統領は、知人女性の崔順実(チェ・スンシル)氏による国政介入疑惑で支持率が急落していることを受け、11月2日午前、新たな首相と副首相、国民安全処長官の人事案を電撃的に発表した。野党は強く反発している。
朴大統領は、新首相に、盧武鉉政権(2003-08年)で政策室長を務めた金秉準(キム・ビョンジュン)国民大教授を、また、経済副首相は任鍾龍(イム・ジョンリョン)金融委員長を抜擢した。国民安全処長官は、金氏からの推薦を受け、やはり盧武鉉政権で女性家族省次官を務めた朴昇柱(パク・スンジュ)氏を内定した。
チョン・ヨングク青瓦台(大統領府)報道官は「現状に鑑み、朴大統領は10月30日に大統領秘書室を改編し、首相と経済副首相、国民安全処長官の人事を断行することにした」と説明した。
青瓦台関係者は「政界が求める『挙国中立内閣』の趣旨を生かすために、(現在の野党勢力の)盧武鉉政権で政策室長を務めた金教授を首相に抜擢した」と明らかにした。
首相人事や閣僚人事は、最終的に国会の同意を必要とする。国会の過半数を握る野党は、朴大統領の与党セヌリ党離党と、崔順実氏による国政介入問題の真相究明、朴大統領への調査などを、挙国一致内閣構成の前提条件として掲げている。
国会が次期首相人事の主導権を握るため、国会が首相に推薦した人物を大統領が受け入れ、単に任命するだけの手順を踏むべきだとの意見も野党には強いため、野党は直ちに強く反発した。
野党第一党「共に民主党」の秋美愛(チュ・ミエ)代表は「崔順実内閣を辞めさせろと言ったら、第2次崔順実内閣が出てきた印象」と述べ「国民と一緒に戦わなければならない時間が遠く険しいことを意味する」と述べた。
野党第2党「国民の党」の朴智源(パク・チウォン)非常対策委員長も「真相究明を後回しにしたまま、人事で糊塗しようとするなどありえない」として「挙国一致内閣を掲げる中で、野党に一言も相談せず、事前の通知なしに内閣改造することはありえない」と非難し「国民にさらなる弾劾・退陣要求デモを誘発させる契機になるだろう」と警告した。
ハフポスト韓国版に掲載されたものを翻訳しました。
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