アメリカ大統領選の共和党候補ドナルド・トランプ氏は10月26日、ドキュメンタリー映画監督マイケル・ムーア氏の批判的なコメントを自分に都合よく解釈した。
トランプ氏は、バラク・オバマ大統領の経済政策で取り残されたブルーカラーの労働者に対し、自分に投票するよう訴え続けている。
そうしたブルーカラー層の大多数がトランプ氏支持であることを認識しているムーア監督は、新作ドキュメンタリー『トランプ・ランド』の中で「俺はわかっている。ミシガン州住民の多くがトランプに投票するつもりだ」と言った。
マイケル・ムーア監督
「人種差別主義者でも、田舎者でもなく、彼らは本当に立派な人々だ」と、ムーア監督は語った。
「だから11月8日は、財産を取り上げられた人たちが投票ブースへ入って、投票用紙を受け取り、カーテンを閉め、レバーとかフェルトペンとかタッチスクリーンで大きく憎たらしげな『X』を、彼らの人生を台無しにした今の体制をひっくり返すと豪語する男の名前に書き記すだろうーそれがドナルド・J・トランプだ」
トランプ氏は27日、リベラル層からの支持を狙ってこのコメントに便乗した。
その通りだ、マイケル・ムーア。全てのアメリカ人へ。私はあなたたちを見ているし、あなたたちの声を聞いている。私はあなたたちの声。11月8日は私に投票を #DrainTheSwamp。
トランプ氏のシニアコミュニケーションアドバイザーのジェーソン・ミラー氏は26日、ムーア監督の「説得力があって、明確な」ドキュメンタリーでの発言を讃えた。
しかし、ムーア監督は映画の中でヒラリー・クリントン支持の姿勢を明確に見せている。彼は25日のMSNBCのインタビューでクリントン氏を「世のため人のためになる力」と呼んで支持する発言をした。
ローリング・ストーン誌とのインタビューでムーア監督は、トランプ氏に投票する人は、危険人物に権力を与えるという意味で「合法的テロリスト」になると語っている。
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ハフポストUS版編注:ドナルド・トランプ氏は世界に16億人いるイスラム教徒をアメリカから締め出すと繰り返し発言してきた、嘘ばかりつき、極度に外国人を嫌い、人種差別主義者、ミソジニスト(女性蔑視の人たち)、バーサー(オバマ大統領の出生地はアメリカではないと主張する人たち)として知られる人物である。
ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。
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