レオナルド・ディカプリオが気候変動番組に出演「奇妙で、非現実的な映画の中にいるようだ」

「奇妙で、非現実的な映画の中にいるようだ」

俳優レオナルド・ディカプリオが、映画監督マーティン・スコセッシの製作総指揮で製作されたナショナルジオグラフィックの気候変動ドキュメンタリー『地球が壊れる前に』に出演した。

「自分たちがどこまで来てしまったのか。それを知りたいだけだ」と、ディカプリオは番組内で語った。「自分たちがどれほどのダメージを与えてしまったか。そしてそのダメージを食い止めるために何かできることがあるのか」

グリーンランドの溶解する氷河、海面上昇により水没の危機にあるキリバス、世界中の死にゆくサンゴ礁……ディカプリオは気候変動によって大きな被害を受けている地域を旅した。

ディカプリオは悲惨な実態を目の当たりにする。予測していたよりはるかに速く、そして人類が適応できないほど急速に世界は焼かれ、水没し、そして温暖化している。

このドキュメンタリーは、ディカプリオとフィッシャー・スティーブンス監督が気候変動を追い続けた3年間の集大成だ。

この番組はナショナル・ジオグラフィックチャンネルで10月30日に放送され、放送後の1週間はオフィシャルサイトで無料配信される。ディカプリオは、「この無料配信で、できるだけ多くの人にこの作品を見てもらえるように願っている」と述べた。

この作品は、アル・ゴア前副大統領の映画「不都合な真実」以来の話題を呼ぶ環境問題ドキュメンタリーとなるだろう。世界有数の気候変動研究グループに加え、バラク・オバマ大統領、ジョン・ケリー国務長官、テスラ・モーターズのイーロン・マスクCEO、ローマ教皇フランシスコも出演している。

ディカプリオは地球温暖化によって大きな影響を受け、氷の融解が加速し始めているグリーンランドを訪れた。膨大な氷河が水となり海面を押し上げ、島の低地部分の住民は他の地域への避難を余儀なくされる。一方で、アマゾンインドネシアの広大な熱帯雨林は農作物と畜産業のために整地され、その結果、大気中におびただしい量の二酸化炭素を排出している。

「このシステムを強要しているのは私たちなんです」と、海洋生態学者ジェレミー・ジャクソンは語った。果てしなく続くサンゴ礁の死骸が、ジャクソンの周りを取り囲む。

「奇妙で、非現実的な映画の中にいるようだ」と、ディカプリオは作品の後半で嘆いた。「いろいろ考えてみた。私に子どもができた時には、今こうして日常だと思っているもの、この地球、生物の多様性や美しさが全て、将来的に全てが変わってしまうのだろうと」

ディカプリオは懐疑的だが、こうした広範囲の影響を克服しようとしている人からすれば、全てが失われたわけではない。 

宇宙飛行士で現在はNASAの気候科学者のピアーズ・セラーズは、「最終的に地球温暖化を食い止め、今の窮地から抜け出す方法はある」と指摘する。

「 『ああ、これは救いようがない」 と言うよりも、 『よし、これが問題だから現実的になってこの問題から抜け出す方法を見つけよう』と言えるんです」と、セラーズはディカプリオに語りかけた。「抜け出す方法はあるんです。もしたった今、化石燃料を使わなくなれば、少しの間地球は温暖化が進み、その後冷却します」

難しい課題だが、動き始めている国はある。

ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。

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