今となっては、ボブ・ディランがノーベル文学賞を獲得したことは、多分誰もがご存知だろう。そしてその反響が……おもしろい。
多くの人が反応して、ディランの受賞を祝福した。
おめでとう、私が好きな詩人の一人、ボブ・ディラン。ノーベル賞を受賞して当然だ。(バラク・オバマ大統領)
オルフェウス(ギリシャ神話の詩人)からファイズ(パキスタンの詩人)まで、歌と詩は密接に関係してきた。ディランは吟遊詩人の伝統の素晴らしい継承者である。素晴らしい選考だ。(作家サルマン・ラシュディ)
一方で、かなりの人が気乗りしないようだ。
俺はディランのファンだが、これは老いぼれて訳の分からないことを言うヒッピーの、不快なにおいのする前立腺からひねくりだされた、よく考えもしない懐古趣味の賞だ。(作家アーヴィン・ウェルシュ)
ボブ・ディランがノーベル文学賞を受賞? 次は何? デレク・ジーターが、ピラフでトニー賞を受賞するのか???(コメディアン・ロブ・デラニー)
ディラン自身は賞について公式には何も言っていない。ちょっと前まで、彼のウェブサイトの最上部に”ノーベル文学賞受賞者”と出ていたが...それ以降は削除されている。
しかし、こうした賛否両論も、ディランがノーベル賞を受賞する数年前、故カート・ヴォネガットが彼について言ったことに比べれば、印象が薄くなる。1991年11月のインタビューで、この小説家は言葉を選びながら、ディランの歌詞のスタイルについて語った。
ボブ・ディラン(左)とカート・ヴォネガット
彼の音楽の好みについて聞かれると、ヴォネガットはこう答えた。
ビートルズは相当な貢献をした。しかし、ボブ・ディランは、存命中の中では、最悪の詩人だ。一つの歌の中で、一行ぐらいはいい歌詞があるかもしれないが、あとは訳のわからないお喋りだ。
なーんだよ、ヴォネガット。
雑誌「ハスラー」は、12月号でこのインタービューを公表するようだが、ここで読むことができる。ヴォネガットが生きていて、12月10日のノーベル賞授賞式でのディランを見守る(そして多分やじり倒す)ことができればよかったのだが。ご存知のように、ディランが授賞式に現れれば、の話だが。
(h/t Consequence of Sound)
ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。
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