アメリカ・ニュージャージー州で、二足歩行で歩く姿が愛らしいと評判になっていたアメリカクロクマ「ペダルズ」が、ハンターが放った矢で殺されたとみられる。「NorthJersey.com」などが報じた。
ペダルズは、両方の前脚に負った怪我のせいで四足歩行ができないため、2本足で歩いていた。その歩く姿が可愛らしいとネット上で人気を集め、Facebookページを持つほどだった。
そのペダルズが、14日に死亡したと報じられた。州指定のアメリカクロクマ検問所で死体を見たとされる目撃者の証言によれば、ハンターがペダルズを仕留めたと自慢しているのを耳にしたという。
「ハンターは3年近くもペダルズの命を狙っており、矢を命中させて満足していると検問所で自慢していた」とFacebookに投稿されると、2万2000人のファンの一部は、憤りや悲しみを爆発させた。
ニュージャージー州の魚類野生生物局が発表した声明によれば、今週初め、検問所にアメリカクロクマの死体が持ち込まれたが、ペダルズは識別用のタグが付けられていなかったため、死体の身元が確認できない状態だという。
「検問所で撮影された、脚に損傷を負ったアメリカクロクマの死体の写真はある」と、魚類野生生物局の広報担当、ボブ・コンシダイン氏は地元メディア「NorthJersey.com」に状況を説明した。
ペダルズは、6月ニュージャージー州の民家をうろつく姿が確認されている。
ペダルズのFacebookファンページを作ったリサ・ローズ・ルブラックさんは、アップステート・ニューヨークの保護区域にペダルズを移送する費用として2万2000ドル(約230万円)以上の寄付金を集めている。前脚を損傷しているペダルズは越冬できないのではとの懸念から寄付金集めが行われた。
6月、ニュージャージー州オークリッジの民家を歩き回るペダルズの姿が撮影されている。
寄付金は集まったものの、ペダルズの移送は野生生物局から認められなかったと、ルブラックさんはニューヨーク・デイリー・ニュース紙に答えた。
「寄付金は十分にありましたし、ペダルズの移送先も決まっていました」と、ルブラックさんは語った。集められた寄付金は、ペダルズを追悼するために何らかの形で活用されるという。
この出来事を経て、15日にはFacebookページに2度目の投稿がされた。この投稿者によると、ハンターの名前も分からないし、犯人を確定する証拠もないという。
さらにこの投稿では、特定の個人を批判したり、脅迫したりしないようにと書かれていた。
「ペダルズは無残にも殺された。ニュージャージー州魚類野生生物局によればハンターの行為は合法で、法律上の問題はなかったというのも残酷な話だ。ペダルズを保護しようとしたが、何もできなかった。お願いだから、特定の個人を誹謗中傷しないで。犯人を確定する証拠はないのだから」
ニュージャージー州では、15日にアメリカクロクマの狩猟期間を終えた。州のデータによれば、6日間の狩猟期間中に合計で549匹のアメリカクロクマが狩猟されたという。
ニュージャージー州環境保護局によると、狩猟期間の設置はアメリカクロクマの生息数を維持し、住民の安全を強化することが目的だという。
ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。
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