オバマ大統領は10月7日「赤ちゃん法」に署名した(JONATHAN ERNST / REUTERS)
アメリカで、男性トイレが子育てに優しい場所になりつつある。
10月7日、「Bathrooms Accessible in Every Situation Act(トイレを全ての状況に適応させる法)」にオバマ大統領が署名した。赤ちゃん法とも言われるこの法律が成立したことで、一般の人たちも利用できる連邦政府の施設にある男性・女性トイレに、赤ちゃんのおむつ交換台が設置される。
4月に法案を提出した民主党の下院議員、デビット・シシリーニ議員のウェブサイトにはこう書かれている。
「政府は、公共の建物を家族に優しくする責任があります。少なくとも、税金によって立てられた連邦政府の建物では、清潔で母親や父親が安心しておむつを交換できる場所を提供されるべきです」
アメリカでは近年、俳優や政治家、ブロガーなどから「男性トイレにもおむつ交換台を設置して」と求める声が上がっていた。
2015年、男性トイレにもおむつ交換台を設置するよう求めるアシュトン・カッチャー(CHANGEORG)
2015年、俳優のアシュトン・カッチャーが男性用トイレにおむつ交換台がないことを嘆き、オンライン署名サイトChange.orgで、企業におむつ交換台を設置するよう求めるキャンペーンを立ち上げた。
その1カ月後には、ニューヨーク州議会上院議員のブラッド・ホルマンが「女性トイレにおむつ交換台がある公共施設では、男性トイレにもおむつ交換台を設置するべきだ」と求める法案を提出した。
パートナーのデビッド・シーガルとの間に娘がいるホルマン議員はハフポストUS版に、「男性トイレにおむつ交換台がないという現状は時代遅れであり、育児は女性がすべきという偏見を反映しています。今の時代にあっていません。同性で子育てをする男性や、異性カップルの男性だけでなく、シングルで子育てをしている父親だっているのです」と話した。
ハフポストUS版のブロガーの1人ドイン・リチャーズも、2014年のブログで「私たちは子供を愛しています。いい親になるために、母親たちが使えるのと同じツールを父親にも提供して欲しいのです。おむつ交換台は、父親が必要としている重要なツールの一つです」と訴えている。
リチャードはハフポストUS版に、新しい法律は素晴らしいと讃えつつも、「公共施設だけではなく、民間の施設にもこのサービスを広げるべきだと思う」と話した。
「民間企業の問題は、公共の利益より収益を優先させがちです。少し前まで、飛行機の中でタバコを吸うことができましたが、航空会社にこの問題の解決を任せきりにしていたら、今でも機内での喫煙は許されていたでしょう。飛行機を禁煙にすることも、男性が安心して子供のおむつを交換する場所を作ることも、常識にかなった判断です」
ハフポストUS版に掲載された記事を翻訳しました。
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