アップルの創業者、スティーブ・ジョブズ氏が56歳の若さでこの世を去ってから、10月5日で5年を迎えた。
まだIBMがコンピューター産業で支配的な存在だった1976年、ジョブズ氏は友人だったスティーブ・ウォズニアック氏らとアップルを創業。「Apple 2」や「Macintosh」を世に送り出し、パソコンが家庭に普及する礎を作った。強烈なトップダウン型の経営姿勢もあり、一時アップルを追放されたが、その間に映画会社ピクサーを設立。全編CGの「トイ・ストーリー」がヒットし、CGアニメ興隆のきっかけとなった。
アップルに復帰すると、2001年に携帯デジタルプレーヤー「iPod」、07年にスマートフォン「iPhone」、10年にタブレット端末「iPad」を発表。人々のライフスタイルを一変させた。2011年8月、アップルは時価総額で石油大手エクソンモービルを抜き、一時ではあるが「世界一の企業」となった。ジョブズが亡くなったのは、その2カ月後だった。
iPhoneを持つジョブズ氏
訃報が伝えられると、オバマ大統領をはじめ各界の著名人が哀悼声明を発表。長年のライバルだったMicrosoft創業者ビル・ゲイツ氏は、「私たちは30年近く前に出会い、人生の半分以上が競争相手であり、また友であった」と述懐。「スティーブのように、何世代先にも深く影響を与えるような人物はめったに現れない。彼と働くことができたのは大変な名誉だった」と哀悼の意を示した。
ジョブズ氏を悼んで置かれた花束やリンゴ
激しい気性で知られたジョブズ氏だが、その旺盛なハングリー精神の一方で、禅に傾倒する一面も。簡素なデザインを追い求めた背景には、その影響もあったという。そんなジョブズ氏の哲学が込められた製品は、世界中で熱烈なアップルファンを生んだ。魅力的かつ個性的な発言も多く、死して伝説となった彼をカリスマとして敬う人々は今も多い。
そんなジョブズ氏が残した言葉を紹介しよう。
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