沖縄県のうるま市教育委員会は9月26日、世界遺産「勝連城跡」の発掘調査で、ローマ帝国のコイン4枚が出土したと発表した。ローマ帝国のコインが出土するのは、国内で初めて。沖縄タイムスなどが報じた。
時事ドットコムによると、2013年度の遺構調査で10枚の金属製品を発見。X線による画像確認などを行った結果、銅貨4枚が3~4世紀のローマ帝国のコインと判明した。皇帝らしき人物の肖像や複数のアルファベットが確認されたという。
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沖縄県うるま市の史跡「勝連城跡」から発見されたローマ帝国のコイン=26日、沖縄・うるま市役所
大きさは、最大で直径約2センチ、最小で直径約1.6センチ。分析の結果、表面にはローマ文字やアラビア文字、ローマ皇帝コンスタンティヌス1世の肖像などがあしらわれているという。
朝日新聞デジタルによると、東西交流史に詳しい早稲田大中央ユーラシア歴史文化研究所の四日市康博さんは「ローマのコインは東南アジアでも出ており、ここを経由して流入したと考えられるが、後世の混入の可能性も含めて慎重に精査してほしい」とコメントしている。
■勝連城跡ってどんな遺跡?
うるま市の勝連城跡
コトバンクによると、勝連城は沖縄本島中部の与勝(よかつ)半島の丘陵地にあり、高さ100mの台地に建つ城は、5つの郭が階段状につながっている。
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12~13世紀に築城され、14~15世紀にかけて海外との交易によって繁栄した。最後の城主となった阿麻和利(あまわり)は、琉球王国に抵抗する有力な按司として恐れられていたため、琉球国王軍によって滅ぼされた。
城は1972年に国の史跡に指定され、2000年には首里城跡などとともに「琉球王国のグスク及び関連遺産群」としてユネスコの世界遺産にも登録されている。
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