イタリア・カーニバル社の最新の大型クルーズ船が8月28日、シシリー島の北東部メッシーナ港を出港した際にマリーナを破壊した。乗客が撮影した映像には、当初は優雅に航行する船が、撮影から1分も経つ頃にはその巨大な航跡で、少なくともドックと数隻のボートを破壊していく様子が捉えられていた。
「なってことだ、ボートがぶっ壊れていく!なんてことだ、今、目の前で起こったんだ!」
船上からその光景を目の当たりにした男性が叫んでいる。隣にいる女性は、地上を指差しながら言う。
「見て、みんな走ってる!」
この船は、カーニバル社で最大のクルーズ船「ビスタ」で、13万3500トンを誇る。カーニバル社はビスタが本来の航路をはずれてしまった原因について、悪天候による強い潮の流れと強風によるものと説明。9月11日、ハフポストUS版に次のようなコメントを寄せた。
「ビスタの乗務員たちは船の推進モーター出力を上げて船の動きをコントロールし、軌道修正せざるをえませんでした。その過程で、港内でのビスタの推進動力が近くのドックや小型船を破損させてしまったのです。けが人は出ておりません。当社はこの件について心からお詫び申し上げます。また、イタリア当局と連絡を密に取りながら事情を調査しています」。
地元メディアが入手したカーニバル社のコメントによると、現地の港湾当局はこの事故による損害がおよそ28万ドル(約2900万円)に上ると推定している。
「クルーズ船は2つの桟橋を破損させ、その内の1つは修復不可能です。多くの付随施設も破損し、係船所の水先船は沈没、その他10隻以上の小型船が破損状態です」
航行するビスタの強大な航跡に叩きつけられ、マリーナのドックが折れ曲がったり周囲のボートにぶつかっている様子
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳・編集しました。