日中、尖閣問題で平行線 外相会談「衝突回避」では一致
岸田文雄外相は24日、中国の王毅(ワンイー)外相と東京都内で会談した。岸田氏は、沖縄県・尖閣諸島周辺での中国公船の活動について沈静化を要求。日中首脳会談の開催条件に東シナ海の状況改善を求めた。一方、これに先立って行われた日中韓3カ国の外相会談では、北朝鮮に挑発行動の自制や国連安全保障理事会決議の順守を求めることで一致した。
岸田氏は、尖閣周辺での中国公船による日本領海への侵入を抗議。事態の沈静化と再発防止を強く求めた。その上で、9月上旬にある中国での主要20カ国・地域(G20)首脳会議の際に想定される安倍晋三首相と習近平(シーチンピン)国家主席との首脳会談に言及。尖閣周辺を含めた東シナ海での中国側の活動について「状況が改善すれば、首脳会談を含め対話を通じて関係改善を進めていきたい」と語った。
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岸田氏によると、王氏は東シナ海をめぐる中国側の見解を改めて主張。東シナ海をめぐる情勢の認識は平行線に終わった。ただ、王氏は「情勢の悪化を防ぎ、不測の事態を回避することが重要」と言及。両者は、偶発的な衝突を避けるため「海空連絡メカニズム」の運用開始が重要との認識では一致した。(武田肇、西村大輔)
(朝日新聞デジタル 2016年8月25日00時07分)
(朝日新聞社提供)