ロシアによる国家主導でのドーピングが認定された問題で、IPC(国際パラリンピック委員会)は8月7日、ロシア・パラリンピック委員会を資格停止処分にすると発表した。これにより現時点では、ロシアの全選手が参加できなくなった。NHKニュースなどが報じた。
ロシアのドーピングをめぐっては、WADA(世界アンチドーピング機構)が、国家主導だと認定。その上で「リオデジャネイロパラリンピックではロシア選手の参加を拒否すべきだ」という声明を出していた。
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IPC会長のクレイバン氏(写真)は、滞在先のリオデジャネイロで記者会見し、「ロシアの反ドーピングシステムは機能せず、堕落しきっている。だから、資格停止処分の決定をするしかなかった」「ルールを順守していないのは明白だ。ロシア政府は自国の選手を裏切った」と批判した。
これに対しロシアのスポーツ相ムトコ氏は「前代未聞の決定だ。何を根拠に決定されたのか理解できない」と強く反発。「これは偏見であり、スポーツの政治化だ」と述べ、CAS(スポーツ仲裁裁判所)に申し立てる姿勢を示した。
ロシア・パラリンピック委員会のルキン会長も、IPCによる資格停止処分について「二流の政治活動に手を染めた」と非難。「われわれは速やかにCASに不服を申し立てる。CASがロシア選手団のリオ五輪出場問題の時と同じように(選手団全体を除外しない)決定を下すことを期待する」と述べた。
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