2011年9月から約5年間にわたって、経産省の敷地内に市民団体が設置している「脱原発テント」が強制撤去される見込みになった。
7月28日付けで最高裁が市民団体の上告を退けたためだ。テントは脱原発運動の象徴的な場所として知られており、団体側は、立ち退きを拒否する方針だ。今後、国の申し立てを受けて東京地裁が強制執行するとみられる。
Advertisement
テントは2011年9月11日、経産省をデモ隊が包囲した際に、北側の歩道に面した敷地に設置された。それ以降は約60人の中核メンバーらが交代しながら24時間常駐し、国の原発政策を批判する看板を掲げている。団体側は、テント設置は憲法が保障する表現の自由だとし、国の提訴は意見表明の妨害を狙っており違法だと訴えていた。
8月2日、市民団体「経産省前テントひろば」の代表者の1人、淵上太郎さん(73)は、「司法のやったことで想定の範囲内だ。非暴力不服従の精神で最後まで戦う」と話していた。
Advertisement
判決では約5年間の敷地使用料と、年5%の遅延損害金の計約3800万円の支払い命令も確定。すでに供託金として裁判所に支払っている500万円を除く分が代表メンバー2人に請求される見込みだが、淵上さんは「預金通帳には2人合わせて3000円しか残っていない。ない物は払えない」とコメントしている。
【関連記事】
関連記事