7月31日投開票の東京都知事選で、元都知事の猪瀬直樹氏が選挙特番に生出演し、“都議会のドン”といわれる自民党の内田茂・都連幹事長について、ネットの力で「やっと存在が知られるようになった」などと語った。テレビ東京系で31日に放送された選挙特番「池上彰のニッポンの大問題 ~都知事選SP生放送~」の一幕で、司会の池上彰氏は都議会の闇に斬り込んだ。
午後8時に無所属の新人で元防衛相の小池百合子氏(64)が当選確実となった後、番組に生出演した猪瀬氏は、司会の池上彰氏からの質問に以下のように答えた。番組での発言を紹介する。
■ネットの力で「内田都連幹事長の存在が知られるようになった」
——元東京都知事の立場で、今回の都知事選を振り返っていかがですか?
やはり小池さんの掲げた大きなテーマは、都政の透明化なんですね。都政の透明化というのは、特に議会の問題が大きく絡んできます。ご存知の通り、都知事は都民の代表ですけど、都議会も都民の代表である。二元代表制ということなので、必ずしも都知事の言う通りに議会が動くとは限らないわけですね。国の場合は、多数派が内閣総理大臣を出すので、内閣総理大臣が出した法案は通るわけです。
ですから都議会の力が非常に大きい。しかし、都議会の力は大きくていいんですが、ボス政治によって動かされるとしたら非常に問題だと。そこを明らかにしていきたいという小池さんのおっしゃっていることは非常に重要なことで、僕自身もその大きな壁にぶつかりましたので、よくわかりますから、これから頑張っていただきたいというふうに思っています。
——ボス政治にぶち当たったとのことですが、知事の時代にそういう話を都民に明らかにされませんでしたよね?
それは、あまり有名ではないということなんですね。いわゆる世間的に。ですからそれを言っても、どこのメディアも雑誌も取り上げてくれないんですよ。
今回は、都議会議員で自殺された方がいたので、その方のことを書いてネットでアピールしたら、「そういうことだったのか」っていうふうに広がったんですね。今回はネットの力がかなり大きなウエイトを占めている選挙だったと思います。
名前を出さない、名前をAさんとしか新聞はいわないんですよ。それを、内田都連幹事長という具体的な名前がいまや出て、週刊誌にも載るようになって、やっとそこでそういう人の存在が認識されるようになったということなんですね。
——先ほどのVTRでも、内田幹事長に対して「さあ、説明してください」とマイクを向けたんですが、逃げられましたね。コメントされない、ということは結果的に認めたことになりかねないということですよね。
できる限り、表に出ない方だったんですね。闇にいる。闇の中にいると力を持つんですね。光を当てるのは、本来はメディアの力なんですね。メディアが光を当てることで闇が消えていくわけですね。そこにメディアの力がなかった。しかし今回はネットの力で、その闇が明るみに出てきたということが、小池さんにとって非常に大きな力になったと思っています。
■「親族を除名する」おそらく内田幹事長が指示していた
——(増田氏、鳥越氏の敗戦の弁を放送後)猪瀬さん、敗戦した2人の敗因は何だったと思いますか?
2〜3週間で全てを説明するのは無理ですよね。それともう一つ、増田さんと鳥越さんは、ネットをほとんど使っていませんでしたね。使っていることは使っているんですけど。やっぱり新しいメディアに対して敏感ではなかったと思いますね。
それから増田さんに関しては、池上さんがお見せした(支援しないと)「親族を除名するぞ」と(自民党が指示したことは)、北朝鮮みたいですよね。増田さんにとってはマイナスだったと思います。増田さんがやったんじゃなくて、先ほど言いましたように内田都連幹事長がそういう指示を、おそらく出したと思います。そういうやり方でいいのかということが問われたから、増田さんもうまくいかなったんだと思います。
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その後、猪瀬氏は、小池氏とのLIVE中継を通じて「協力いたしますので、本当に頑張ってください。本当に、戦争になると思いますので」とエールを送った。
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