東京オリンピック費用、東京都の負担額は一体今いくら?【都知事選】

これまでどのような経過を経て、一体今いくらなのか?都知事選を前に、振り返ってみたい。

2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックでは、2016年7月、開催費用が当初の3倍の2兆円以上になる可能性について大会組織委の森喜朗会長が言及した。東京都にもさらなる負担がのしかかる見通しだ。

31日に投開票される都知事選でも重要な争点となっている五輪費用だが、これまでどのような経過を経て、一体今いくらなのか?投開票を前に、振り返ってみたい。



・2013年1月:3500億円立候補ファイル

Q:大会開催にかかる費用は、どれくらいかかり、誰が負担しているのですか?

A:招致時の2013年1月の立候補ファイルでは、組織委員会の予算(大会の運営に直接関わる予算)を約3,500億円と見積もっています。この「組織委員会予算」は、全て民間資金(スポンサー収入、チケット収入、IOCからの分担金等)でまかなわれます。

・2015年11月末:1兆8000億円組織委の試算

・2016年7月22日:2兆円を超える記者会見での森会長発言

森会長は「ロンドン五輪は2兆円、ソチ五輪は4兆2000億円の経費がかかった。そのぐらいの金額になるんです」と発言、本来あるべき費用との齟齬はないと強調した。森氏はさらに25日の組織委の理事会で、「招致時の見積もりに問題があった」とも指摘。予算は膨らんだのではなく、おかしかったのは、元々の見積もりの方だと強調している。

なお、この費用には東京都や国が行う競技場の建設費用などは含まれていない。では、東京都の負担分はどうだろうか。



・2013年1月:1538億円立候補ファイル

・2014年:4500億円(資材高騰などで一時この額に)

・2015年4月:2241億円3会場の建設中止など

東京都は3つの会場の建設中止などで一時は4500億円に膨らんだ額から約2000億円を削減、2015年4月時点では2241億円となった

森会長は7月25日、この点について「私どもも細かく検討し、舛添知事にもお願いし、削減した。この点が世間には伝わっていないんです。ただ金額だけが組織委員会が増やしたとか、東京都だけが増やしたとかばかりが喧伝され、そのことが選挙にも使われ残念」と発言している。

ただし、この圧縮分を差し引いても当初からは約700億円近い増加になっている。

・2015年12月:2689億円国との合意

国の支出するはずだった新国立競技場の工事費用の一部などを肩代わりすることで合意、新国立競技場関連では448億円の支出をすることになった。

・2016年秋:さらに増える?国・組織委との見直し合意

舛添元都知事は辞任直前の2016年3月31日、森会長、遠藤利明五輪担当相と、都・国・組織委員会で分担することを決めた会場整備の費用分担を見直すことで合意した。

組織委員会の運営費が膨らんでいることから、「都にも応分の負担を求めたい」と組織委員会の武藤敏郎事務総長は発言、組織委がするはずだった仮設競技場費用の一部を都に肩代わりさせたい意向を表明している。

新都知事はこの合意に基づいて都の負担について国や組織委と交渉するのが当面の課題となる。なお、費用が膨らんだことについて、都の幹部と森会長は朝日新聞の取材などに対して、それぞれ以下のような発言をしている

なお、競技場について、招致当時の費用負担見積もりと分担は以下のように合意されていた

・新国立競技場の約1300億円を国が負担

新設10施設など約1538億円を東京都が負担

・11の仮設競技場約723億円を大会組織委員会が負担



では、都知事選候補者は、どんな考えでこうした費用負担の交渉に今後臨むのだろうか?朝日新聞デジタルは、都知事選の主な候補者はいずれも五輪予算の縮小や適正化に言及していると報じている。しかし、選挙公報を見てみると、主要3氏の五輪への言及には若干の温度差も感じられる。公報に書かれた3氏の主張は以下のとおり。



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