韓国のサムスングループを率いる李健熙(イ・ゴンヒ)・サムスン電子会長(74)が、ソウル市内の自宅や高級マンションの一室で、違法行為にあたる買春をしていた疑惑が報じられ、大きなスキャンダルになっている。
独立系ニュースサイト「ニュースタパ(打破)」が7月21日夜、動画を公開した。この動画には、李会長とみられる人物が、若い女性に金を渡す場面や、女性との性的な関係を示唆する場面が写っている。
2011年12月に撮影されたという動画には、この人物が女性に金を渡して「今日はご苦労だ。君のキスのおかげで今日は(ピー)した」と話す声、2013年3月とされる動画には「風邪のせい? 風邪と(ピー)と何の関係があるんだ」という会話が録音されていた。
ニュースタパによると、入手したファイルは、2011年12月から2013年6月にかけての計5回。うち1回は、呼ばれた女性の1人が撮影したとみられる。スタッフが動画に写っていた場所を追跡調査した結果、ソウル市内の李会長の自宅などで撮影された可能性が高いという。女性は必ず複数で呼ばれており、「1回500万ウォン(約47万円)、ただし体重が基準をオーバーすると50万ウォン減額」「服装は赤いワンピースで」などの細かい条件指定も登場する。
アンカーを務めた崔承浩プロデューサーは「韓国の財閥問題を取材する過程で入手した。我々も悩んだが、覆い隠すことはできない重大な問題だと思い、取材を続けることにした」と番組の冒頭で述べている。4月に動画を入手し、専門業者に依頼するなどして合成の有無などを調べてきたが、虚偽だと断定する証拠はなかったとした。
ハフポスト韓国版によると、サムスングループは22日「会長のことで物議を醸して申し訳なく思います。会長の私生活に関する問題であり、会社として申し上げることはありません。お詫び申し上げます」とコメントした。
李健熙氏は、サムスングループの創業者、故・李秉喆氏の三男。サムスン財閥の2代目として、グループを世界的な企業に急成長させた。この動画が撮影されたとされる後の2014年5月に、急性心筋梗塞のため自宅で倒れ入院。現在は意識不明の状態が続いている。