アメリカ赤十字社がSNSに投稿したプール安全ポスターの1枚が人種差別だと一部の人々から問題視されていることを受け、公式に謝罪を表明した。
問題のポスターは、プールでルールを守ることを子供たちに教えるためのものだ。しかし、ポスターに描かれている子供たちの中で「Cool」(OK)と表示された行動をしているのは白人の子供たちだけで、有色人種の子供たちは「Not Cool」(ダメ)と表示された行動をしている。そのうちの1人は別の子供をプールに落とそうとしている。
「アメリカ赤十字社は、同社作成の水安全ポスターの1枚に対する皆様からの懸念を心より受け止め、真摯に対応いたします」と同社6月27日に発表した謝罪文の中で伝えた。「誤解を招いてしまい誠に申し訳ありませんでした。不快感を与える意図は一切ありませんでした」
@RedCross、赤十字社の名前が入っている今のポスターは人種差別主義すぎるから@SalidaRecに別のプールポスターを送ってください
NBC系列テレビ局KUSAによると、コロラド州を旅していたマーガレット・ソーヤーさんは2カ所のプールでこの問題のポスターを目にし、ポスターの1枚を破棄するように要求した。
ソーヤーさんはKUSAに、「私はこのポスターを目にしてからずっと『さまざまな背景の子供たちがみんな一緒にいるところを描こうと頑張っているようだけど、明らかにその目的を達成していない』と思っていました」と語った。
@RedCross、この画像が人種差別だって分からない?
アメリカ赤十字社は問題のポスターの作成を中止し、同社Webサイトとモバイルアプリ「Swim」からポスターを削除した。そして、このポスターを貼り出したあらゆる機関に破棄を要請した。
「国内で最も歴史がある最大規模の人道組織として、私たちはあらゆる活動において日々多様性とその受け入れに努力しています」と、アメリカ赤十字社は発表した謝罪文の中で述べた。
それでも、アフリカ系アメリカ人の子供に向けた水泳情報サイト「Black Kids Swim」の設立者エボニー・ローズモンド氏は、アメリカ赤十字社から出されたこの公式声明では不十分だという。
ローズモンド氏はワシントンポストに、長い間アフリカ系アメリカ人はプールやビーチで差別を受けてきたのに加え、黒人居住地区には水泳やダイビング用の規定サイズのプールがあまりない、と語った。KUSAによると、ローズモンド氏は赤十字が作成した問題のポスターのような絵はアフリカ系アメリカ人の子供たちが公共プールで泳ぐ意欲を削ぐことになりうるとも語った。
「水泳が得意なアフリカ系アメリカ人を描いた絵がないことから、このポスターからは迎え入れる意図を感じられません。ここは黒人の子供たちが来る場所ではない、と暗示しています」と、ローズモンド氏はワシントンポストに語った。
「発表された謝罪は十分なものではないと改めて表明したいと思います」とローズモンド氏は付け加えた。「赤十字社の資料の作成と審査のシステムには調査が必要です。そして、赤十字社は問題のポスターがすべて確実に破棄されるように徹底する必要があります」
ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。
関連記事