ナチュラル・グレー(COURTESY ALLBIRDS)
タイム誌はこのスニーカーを「世界一快適なシューズ」と呼んだ。ファッションメディアRefinery29は「靴擦れ、痛み、かゆみ、その他の悩みが一切起きないことを保証できる」と伝えた。それにビジネス雑誌ファスト・カンパニーが同意した。
それがAllbirdsのスニーカーだ。
本当にそんなに素晴らしいのだろうか? 私たちは調べてみることにした。
その前に、Allbirdsがどんな会社かをご紹介しよう。サンフランシスコに本社を置くこのスタートアップは、3月に元プロサッカー選手のティム・ブラウンとバイオテクノロジーの技術者ジョーイ・ズウィリンガーが立ち上げた。
環境に優しく、快適で、手頃な価格のスニーカーを開発することを目指す彼らが作ったのが、ウールを使ったランニングシューズだ。値段は95ドル(約1万円)で、とてもシンプルなデザインの男女共用シューズだ。
ナチュラル・ホワイト(COURTESY ALLBIRDS)
私たちはこのシューズを履いて、ニューヨーク中を歩き回った。そしてこう思った。Time誌に同意せざるを得ない。今までで最も快適なシューズと言っても過言ではない。そして、そう思っているのは私たちだけではないようだ。Allbirdsは、販売して最初の1週間で、1カ月分の在庫を全て売り尽くした。
なぜこんなに履き心地がいいのか知りたくなった私たちは、ブラウンとズウィリンガーに大ヒット商品開発の裏側を尋ねた。
ハフポストUS版:Allbirdsは他のスニーカーとどう違うのでしょう?
ティム・ブラウン:素材に、ニュージーランドのスーパーファインメリノウールを使っていて、肌に触れる内側はとても柔らかいんです。外側には汚れを防ぐ技術が使われています。イタリア・ミラノ郊外にある、世界一流の織物工場で、特別な方法で作られています。
ハフポストUS版:ティム、サッカー選手だったあなたが、なぜAllbirdsを立ち上げたんですか?
ティム・ブラウン:サッカー選手だった時、ナイキなど企業から、スポンサーの名前が入ったスニーカーをたくさんもらっていました。デザインに興味があったので、その部分をなくして、上質な素材を強調するスニーカーが作れないかと思ったんです。チャック・テイラーよりも新しく、コモンプロジェクトよりも手頃。合成素材ではなく自然素材で作ったノーブランドのスニーカーです。
ハフポストUS版:なぜサッカーのキャリアを終えた後にビジネス・スクールへ進んだのですか? サッカー選手としての経験は、Allbirdsに影響を与えましたか?
ティム・ブラウン:私のサッカー人生のハイライトは、ニュージーランドチームで2010年のW杯に出場したことです。その後、サッカーを引退してもう一つの夢であるデザインを追うことにしました。そのために、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスに進み、そこでAllbirdsのアイディアが生まれました。
ビジネスは大変です。だけど、スポーツから学んだ「強くて勝てるチームを作る」「改善を求め続ける」という考え方がとても役立っています。
ナチュラル・ニュージーランド・ブルー(COURTESY ALLBIRDS)
ハフポストUS版:ジョーイ、バイオテクノロジーの技術は、Allbirdsでどう役立ちましたか?
ジョーイ・ズウィリンガー:エンジニアとしてのキャリア、それにと再生可能な化学物質を扱っていた経験から、「原料とイノベーションとデザインは切っても切り離せない」と考えています。だから、新製品をデザインする時は必ず、再生可能な原料を使って素晴らしいものを作ることを大事にしています。
原料は、消費者を満足させられるものでなければいけません。私たちが使っているスーパーファインメリノは、一番快適なタイミングで水分を逃し、驚くほど柔らかい肌触りと独特なシンプルさを作り出します。
ハフポストUS版:Allbirdsは、サステナビリティを何より大切にしていますね。環境を守るためにどんな取り組みをしているのでしょう?
ジョーイ・ズウィリンガー:再生可能なだけでなく、履き心地も見た目もよくする原料を使っています。インソールにはトウゴマオイルを、生地には高品質の「ZQメリノ」を使っています。
製造する時には水性の溶剤を使っていますし、発送する時は、従来に比べて40%資材の少ない運送会社を利用しています。だけど、まだまだ改良できる点があると思います。
ハフポストUS版:今後、スニーカーの販売を拡大する予定はありますか?
ティム・ブラウン:色々な計画があります。Allbirdsは始動したばかりです!
ハフポストUS版に掲載された記事を翻訳しました。
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