娘を殺された父、法廷で笑みを浮かべる犯人に飛びかかる(動画)

「自分の愛する娘を失っても殺した相手を赦すと言っていたのに、マディソンは笑いながら座っていたんです」

アメリカ・オハイオ州イーストクリーブランドで2013年7月、女性3人の遺体がビニール袋に入れられた状態で相次いで発見された。殺害されたのは18歳のシレルダ・テリーさん、28歳のシェティーシャ・シーリーさん、38歳のアンジェラ・デスキンスさん。性犯罪者名簿に登録されていたマイケル・マディソン容疑者が逮捕された。

3年経った2016年6月2日、娘を殺されたヴァン・テリーさんは、クリーブランド裁判所の法廷でマディソン被告のすぐ近くに立っていた。テリーさんは被害者意見陳述を読み上げている最中に被告席を乗り越え、笑みを浮かべているマディソン被告に飛びかかった。

テリーさんは、自分が何を失ったかを裁判官に思い出させるため、法廷にいた。

すでに性犯罪に関して有罪となっていたマディソン被告は、3人の殺害に関しても有罪となった。この女性たちは2013年の10日間のうちに殺害された。この女性たちの遺体は、イーストクリーブランドのマディソン被告の自宅付近でビニール袋に遺棄された状態で発見された。

「今、私たちの家族の一員に乱暴を働き、娘を奪ったこの男に赦しを与えるべきだという気持ちがあります」とテリーさんは被害者意見陳述の中で話していた。

しかしテリーさんがマディソン被告に目を向けた時、彼は笑いを浮かべていた。テリーさんは、マディソンに飛びかかった。

法廷から悲鳴が起こる中、裁判所職員はすぐに2人を引き離し、テリーさんには退廷が言い渡された。

「兄は怒っていました。自分の愛する娘を失っても殺した相手を赦すと言っていたのに、マディソンは笑いながら座っていたんです」。テリーさんの妹ソーニャ・リチャードソンさんは、裁判後地元ニュースメディア「Cleveland.com」に話した。「もう勘弁してほしい、という感じです」

カヤホガ郡の検察庁は、テリーさんの行動について、告訴するかどうか現在検討中だと話した。

「告訴されるのであれば、それはそれで全く構いません」とテリーさんはメディアに語った。

裁判所事務官に取り押さえられる、娘の死を悲しむヴァン・テリーさん。一方、殺害したマイケル・マディソン(オレンジの囚人服姿)は笑っている。

検事と陪審員は、死刑を回避しようとするマディソン被告の弁護側による揺さぶりにも動じなかった。被告側弁護人のデイヴィッド・グランド氏は、マディソン被告は子供の時から両親、また母親の恋人から虐待を受けていたと話した。そしてマディソン被告の育った家庭は、「自分の子供だったら一晩でも泊まらせたくないような環境」だと表現した。

しかし、カヤホガ郡のティモシー・マクギンティー検事は、マディソン被告はイーストクリーブランドのアンソニー・ソーウェル(11人の女性を殺害した連続殺人犯)に影響を受けていると話した。

マディソン被告はこの日、死刑を言い渡された。

マクギンティー検事は声明で、「私たちは、この男が再び別の女性をレイプし、体を切断するような真似ができなくなることに胸をなでおろしている」と述べた。

しかし、死刑が執行される日はまだ遠い。オハイオ州は現在、死刑執行で使用される薬物の入手が難しく、死刑が一時停止されている。

Cleveland.com によると、マディソンに殺害された犠牲者の姉であるサマラ・シーリーさんは、 薬殺刑はマディソン被告にとって「あまりに楽過ぎる方法」だと、裁判所に訴える手紙を書いたという。

「双方にとってLose-Loseの状態では、身勝手なことも考えてしまいます」とシーリーさんは綴っている。「まだ生きている殺人犯が刑務所の中で自分の家族に会ったりしていると考えると、死んでほしいと考えてしまいます」

ハフポストUS版より翻訳・編集しました。

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