北海道北斗市の田野岡大和君(7)が行方不明になってから7日目で陸上自衛隊「駒ケ岳演習場」の施設で保護された。施設では電気や暖房も使えず、内部は日中も薄暗いままだった。大和君は、水道の水だけ飲んで、寒さと空腹に耐えていたとみられる。
時事ドットコムは次のように報じた。
道警などによると、演習場の建物の中で、隊員が発見した。行方が分からなくなった場所から演習場まで約6キロ。大和君はヘリコプターで午前9時すぎに函館市内の病院に搬送された。両親が病院で身元を確認した。軽い脱水症状と低栄養状態だが歩行は可能という。詳しい健康検査を受けるため入院する。
建物は演習時に隊員の宿泊施設として使われていた。大和君は不明になった5月28日夜に演習場に着き、建物の中にあったマットを使って寒さをしのいだという。建物の外には水道の蛇口があり、「水を飲んで過ごした」と話している。発見時、隊員から「大和君か」と声を掛けられると、「そうです」と答えたという。一人で山を歩き、食べ物は持っていなかったとも話している。
(不明の7歳男児、無事保護=陸自演習場の建物で-6日ぶり、水で過ごす・北海道:時事ドットコムより 2015/ /)
無事保護された田野岡大和君が使っていたという陸上自衛隊駒ケ岳演習場の施設の水道=3日午前、北海道鹿部町
施設は「廠舎(しょうしゃ)」と呼ばれる宿泊施設だった。かまぼこ形で、幅約6メートル、長さ約30メートルの大きさ。最大50人が宿泊できるという。板の間にはマットレス数十枚が積まれていた。産経ニュースは、大和君は「鍵がかかっていないので入れた」と話し、小屋の中に食糧はなかったが、水道やトイレが常備されていると伝えた。
行方不明だった田野岡大和君が使っていたという陸上自衛隊「駒ケ岳演習場」の宿泊施設のマット=3日午前、北海道鹿部町
朝日新聞デジタルによると、食料もなく水だけで命をつないだ例は過去にもあるが、医療関係者は今回のケースについて「ぎりぎりだったのでは」と指摘しているという。
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