フランスの首都パリのアンヌ・イダルゴ市長は5月31日、難民や移民を受け入れる初の公式なキャンプを創設し、困窮した難民を救済する予定だと表明した。
イダルゴ市長は会見で、市当局はすでにパリ北部の数カ所をキャンプ設営地として選定しており、数百人の難民を収容する見通しだと述べた。しかし、詳細な計画については言及しなかった。パリ市は、約6週間後に受け入れを始める見通しだ。
難民キャンプ解説を発表するイダルゴ市長
「難民が地中海で命を落とすのを、パリ市は見過ごす訳にはいかない」と、イダルゴ市長は述べている。
パリ市は新しい施設として、日中のみオープンする施設だけでなく、モジュール建築の居住施設も建設する予定だ。この方式の居住施設は迅速な建設が可能で、難民たちに快適な生活を提供できる。
また、イダルゴ市長は、新しいセンターの計画は国際連合の基準に適合するものだと述べた。その基準は、国境なき医師団などの組織をサポートする事業を基にして得られたものだ。国境なき医師団は2016年、地元政府と共にカレー市北部の港近くにあるグランド・シントの違法難民キャンプの状況改善に取り組んだ。
イダルゴ市長は、パリ県がこの取り組みに関してパリ市に協力することを望んでいる。
難民がパリ市内に作った一時しのぎのキャンプ
パリには、過去数カ月の間に多くの難民が押し寄せた。当局は、危険な場所に作られた違法な難民居住地を取り壊そうとしている。地下鉄スターリングラード駅の高架下も、そのような居住地の1つになっている。このため、この数日で約800人もの難民がパリ18区の公園などに住み始めている。
イギリス海峡の入り口近くにあるカレーやグランド・シントなどの街では、イギリスへの入国を希望する何千人もの難民に手を焼いている。政府の援助を受けていないボランティアや援助団体が、ほぼ自前で調達した資金を用いて、難民に食料やシェルターを提供している。しかし、難民たちは泥にまみれ、ネズミに囲まれて生活しているのが現状である。
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ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。