「男女選手の収入格差を今すぐに廃止するよう、アメリカ合衆国サッカー連盟に求める決議」が、アメリカの上院で満場一致で可決された。
この決議に法的拘束力はないが、アメリカ合衆国サッカー連盟に大きな圧力をかける可能性がある。
この決議は、パティー・マレー上院議員(民主党)とその他21人の民主党議員によって、5月の初めに提出された。
それに先立つ3月、5人のアメリカサッカー女子代表チーム選手が、アメリカ合衆国サッカー連盟が適正に給与を支払っているか調べるよう、雇用均等委員会に提訴していた。
5人の選手たちは、女子代表チーム選手の収入は、男子代表チームより25%少ない、と訴えていた。サッカー連盟は訴えに対し、格差は25%より少ないと反論している。
ニューヨークタイムズ紙によると、アメリカのサッカー選手の報酬は、1試合あたり男子に5000ドル(約55万円)支払われるのに対し、女子は3600ドル(約40万円)だ。試合に勝った場合のボーナスを加えると、差はもっと大きくなる。
サッカー女子代表チームはアメリカ国内で大きな人気がある。これまでに、ワールドカップで3回優勝し、オリンピックでは3回金メダルに輝いた。
マレー上院議員は5月26日の議会でのスピーチで、「これほどの結果を残しているにも関わらず、女子選手たちは、男子選手と対等に扱われていません。これはお金だけの問題ではありません。アメリカ中、世界中の女性や女の子たちにとっての問題で、国中で起こっている格差の問題を象徴しています」と訴えている。
スポーツ選手の男女賃金格差は、アメリカ国内だけの問題ではない。2014年の男子サッカーワールドカップで優勝したドイツチームには、3500万ドル(約38億円)の賞金が支払われた。一方、2015年の女子サッカーワールドカップで優勝したアメリカチームには、200万ドル(約2億2000万円)しか支払われなかった。
この問題を受け、2015年10月にパトリック・リーヒー上院議員(民主党)が国際サッカー連盟に、男女に同等の支払いをするよう求める決議を提出したが、共和党による反対で成立しなかった。
ハフポストUS版に掲載された記事を翻訳しました。
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