翁長雄志知事は、日米首脳会談について「中身がまったく無い」と痛烈に批判した。
沖縄県の会社員女性の遺体をアメリカ軍属の男が遺棄した容疑で逮捕された事件について、5月25日深夜に開かれた日米首脳会談では、安倍晋三首相が「強く抗議」し、オバマ大統領が「心の底からの哀悼の気持ちと深い遺憾の意」を表明した。
一方、沖縄では、アメリカ軍人・軍属の犯罪にアメリカ国内の裁判権が優先されるなどアメリカ側の優位性を定めた日米地位協定の見直し要求が高まっている。今回の事件では軍属が公務外で、沖縄県警が身柄を確保したため、協定は適用外だが、オバマ氏は「日米地位協定が、日本の法体系のもとでの完全な捜査や司法に必要な措置を何ら妨げてはいない」と、否定的な見方を示した。
沖縄タイムスによると、翁長知事は25日、記者らに感想を問われ、以下のように批判した。
「中身がまったく無い。運用改善では限界があることは明らかだ」
「これだけの負担があり、事件がある。再発防止と言っても、何も変わらない。地位協定に触らないことは、とても理解できない」
沖縄県議会は26日、臨時本会議で、事件に抗議し、「在沖米海兵隊の撤退」を求める抗議決議と意見書を全会一致で可決した。朝日新聞デジタルが伝えている。
決議によると、事件について「このような蛮行は、県民の生命をないがしろにするもので、断じて許されるものではない。遺族の悔しさや悲しみははかり知れず、県民からは激しい怒りの声が噴出している」と表明。「米軍における再発防止への取り組みや軍人・軍属等に対する教育等の実効性に疑問を抱かざるを得ない」と指摘し、日米首脳による犯罪根絶のための協議、日米地位協定の抜本改定、米軍基地の大幅な整理縮小なども求めた。
(「米海兵隊は撤退を」抗議決議を可決 沖縄県議会 - 沖縄:朝日新聞デジタルより 2016年5月26日11時13分)
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