ポテトチップスや電子レンジと同じく、マルガリータ・カクテルが生まれたのはまったくの偶然からだった。
マルガリータは当初「デイジー」という名前で誕生し、リキュール少々、レモンジュース、オレンジコーディアルから作られていた。1870年代初めに作られてから数年、ニューヨークにあるバー、フレッド・エバーリンではすでにスタンダードなカクテルになっていた。
当初、「デイジー」はウィスキーをシェイクしてカクテルグラスに注ぎ、ソーダを満たして作られていた。つまるところ、サワーにアレンジを加えたものだった。そして、アメリカ国外のバーでカクテルを探す方が簡単だった禁酒法時代、ヘンリー・マッデンと呼ばれる男が、ある「おいしい間違い」を犯したのだ。
カクテル研究家で、男性誌「エスクァイア」のコラムニスト、デヴィッド・ワンドリッチは、マルガリータができた過程について次のように説明している。
1920年代半ばのある日、ヘンリー・マッデンはメキシコ、ティファナのメインストリートにあるバーでバーテンダーをしていた。するとそこに1人の客がやって来て、ジン・デイジーを注文した。
ヘンリーは1936年記者にこう語った。「カクテルを作るときに、違うボトルを手に取ってしまったんです」。それはテキーラのボトルだった。 その結果、「そのお客さんがとても喜んでもう一杯注文し、そのニュースは遠くまで広まったんです」。
1930年代半ばには、このカクテルはメキシコ全土に広まっていた。デイジーはオレンジのリキュールでグラスの縁に砂糖をつけるサイドカーというカクテルと似ていたし、当時誰もがテキーラを塩と一緒に飲むことを知っていたため、グラスの縁に塩をつけつけるという飲み方も広まったのかもしれない。そしてスペイン語で「デイジー(ヒナギクの花)」を意味する「マルガリータ」という名がついたのではないか。
つまり、マルガリータはメキシコの伝統的なカクテルではなかった、というのだ。
30年後、エスクァイア(と他のアメリカのメディア)はこのカクテルを「発見」し、1953年12月のコラムで発表した。
「彼女の名前はカクテル・マルガリータ。かわいらしい外見で刺激的に誘惑する」とコラムは紹介している。
もしマルガリータをストレートで注文するなら、当時のレシピは現在のものとほとんど変わらない。テキーラ、ライムジュース、そしてコアントローをグラスに注ぎ、縁に塩をつけたものだ。
現在、マルガリータには多くのバリエーションで楽しまれている。テキーラのブランド「パトロン」が開催する「マルガリータ・オブ・ザ・イヤー・コンテスト」では最近、ローズウォーターとハラペーニョオイルで作られた「ローザ・ピカンテ・マルガリータ」が1位になった。
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この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。