赤ちゃんを抱きながら泳ぐ父 ピュリツァー賞の写真は難民の苦難を訴える

難民の『ライフジャケット』になれたと思う、と写真家は語った。

子供をしっかり抱きしめながら、ゴムボートを降りてギリシャ・レスボス島の岸を目指すシリア難民(2015年9月24日、ヤニス・ベラキス撮影)

アメリカのピュリツァー賞が4月18日に発表された。「ニュース速報写真部門」を受賞したのは、移民・難民の苦しい旅路を記録した、ニューヨークタイムズ紙とロイターの写真チームだ。

彼らは、アフリカやアジア、中東からヨーロッパを目指す人々を1年にわたって記録した。写真には、つらい現実や、希望と絶望の間で揺れる移民・難民の様子が記録されている。

チームのメンバーには、ロイターに所属する3人のギリシャ人、ヤニス・ベラキス氏、アルキス・コンスタンチニディス氏、アレクサンドロス・アブラミディス氏が含まれている。彼らはギリシャ国内にいる、移民や難民を撮影した。

ベラキス氏のFacebookによると、ギリシャ人がピュリツァー賞を受賞するのは初めてだ。

「移民や難民は、最後の希望の地としてギリシャの島々にやってきました。島民たちは、移民や難民を暖かく迎えていました。島にずっと滞在していた私たちジャーナリストは、写真を通して彼らの声を代弁することで、『ライフジャケット』になれたと思います」と、ギリシャの通信社「アテネ・ニュース・エージェンシー」に述べている。

その言葉は間違っていない。写真は、移民や難民の声、そして苦しい現実を私たちに訴えている。

Alexandros Avramidis/Reuters
マケドニアに入国しようとする移民を止めるために、警棒を振り上げるマケドニアの警察(2015年8月22日撮影)\n\n
ギリシャとマケドニア国境沿いの道を歩きながら、娘にキスする難民男性(2015年9月10日撮影)
Yannis Behrakis/Reuters
シリア人難民が乗ったゴムボート。定員をはるかに超えている。モーターが故障したため、ギリシャのコス島沖で動かなくなってしまった(2015年8月11日撮影)\n
Yannis Behrakis/Reuters
満員のゴムボートから、ギリシャ・レスボス島の海岸に飛び移る、アフガニスタン人の移民(2015年10月19日撮影)\n\n
Yannis Behrakis/Reuters
70歳のアモーンは目が見えない。故郷の街、シリアのアレッポを逃れて、40人の仲間たちとコス島にたどり着いた。浜辺でひと時の休息を楽しんでいる(2015年8月12日撮影)\n
Yannis Behrakis/Reuters
ギリシャのピレウス港にたどり着いた後、バスの窓から外をながめるアフガニスタン移民。2500人の移民と共に、レスボス島からフェリーで到着した(2015年10月8日撮影)
Yannis Behrakis/Reuters
豪雨の中、ギリシャ・イドメニ難民キャンプ近くで、国境を通してほしいとマケドニアの警察に懇願する移民や難民たち(2015年9月10日撮影)\n
Yannis Behrakis/Reuters
泥の中を通って、ギリシャからマケドニアへの国境を越えるシリア難民たち(2015年9月10日)\n\n
Alkis Konstantinidis/Reuters
レスボス島沖で、乗っていたゴムボートの空気が抜けてしまった。赤ちゃんを抱えながら、必死に沖を目指すシリア難民(2015年9月13日)
Alkis Konstantinidis/Reuters
コス島の競技場で、難民登録をするために並ぶ人たち。あまりの混みように、ひとりのシリア難民が、何とか息をしようと顔を突き出した(2015年8月12日撮影)\n

ハフポストUS版に掲載された記事を翻訳しました。

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