これまで知られていなかったレオナルド・ダ・ヴィンチの子孫が、今も生きている可能性が明らかになった。
イタリアのレオナルド・ダ・ヴィンチ理想博物館の調査チームは4月14日、元会計士や建築家、警察官など、約35人がダ・ヴィンチの子孫に当たる可能性があると発表した。ディスカバリーニュースなどが報じた。
ダ・ヴィンチはルネサンスの代表的芸術家であり科学者。「最後の晩餐」「モナ=リザ」などの絵画を残したほか、近代科学の先駆者として実証的な諸研究など、多面的な創造力を発揮した。
チームは1973年から調査を開始。ダ・ヴィンチ自身には子供はいなかったが、彼の多くのきょうだいが調査対象となった。1519年に死去したダ・ヴィンチの遺骨は、宗教戦争時に行方不明になったとされ、DNA鑑定はできない。そのためチームは、教会や議会文書などを丹念に調べ、家系図を作成した。
血縁者だといわれる人物のなかには、イタリアの映画監督で脚本家、オペラの演出家でもあるフランコ・ゼフィレッリ氏(93)がいる。
(左)レオナルド・ダ・ヴィンチ自画像、60歳頃の作品とみられる。(右)フランコ・ゼフィレッリ氏(当時63歳。Photo by Ron Galella, Ltd./WireImage February 9, 1987)
イタリア・フィレンツェ生まれだが英語が堪能。「ムッソリーニとお茶を」などを手がけ、「ロミオとジュリエット」ではアカデミー賞にもノミネートされた。ゼッフィレッリ氏について、編集者の松岡正剛氏は次のように評価している。
だいたいゼッフィレッリにあたるような男は日本にいない。スペクタクルを演出するというだけなら、たとえば市川猿之助や山本寛斎や、あるいは浅利慶太を思い浮かべてもいいかもしれない。しかし、かれらの演出はおおむねは型にもとづいている。ゼッフィレッリのスケールは図抜けているし、やるたびに趣向が違っている。もともと日本ではオペラのオリジナル演出などほとんどないといってよい。しかもゼッフィレッリはオペラも演劇も映画もつくる。テレビもつくるし、法王パウロに頼まれて聖ピエトロ寺院を演出してしまう。こういう男はいない。
ヨーロッパではゼッフィレッリのような演出スペクタクルを「オピュレンス」ということがある。うまく訳せないが、富裕とか豪奢を意味する言葉で、かつ大胆で意外なスケールを含み、人々に満足感をふりまくものが滲み出ていなければならない。それが「オピュレンス」である。
(186夜『ゼッフィレッリ自伝』フランコ・ゼッフィレッリ|松岡正剛の千夜千冊より 2000/12/07)
さあ、ゼッフィレッリ氏とダ・ヴィンチをもう一度比べてみよう。似ている?
(左)レオナルド・ダ・ヴィンチ自画像、(右)フランコ・ゼフィレッリ氏(当時81歳。Photo by Livio ANTICOLI/Gamma-Rapho via Getty Images November 24th, 2004)
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