高倉健さんの記録映画公開 ダグラス、ジョン・ウー監督らが出演
2014年11月に亡くなった俳優・高倉健さん(享年83)の長編ドキュメンタリー映画『健さん』(2016年公開)が製作されることが11日、わかった。日本映画のみならず、外国映画にも積極的に出演し続けた高倉さんの俳優としての在り方に焦点を当てた意欲作。共演経験のある米俳優マイケル・ダグラスや、ファンを公言する世界的名匠ジョン・ウー監督が出演し、高倉さんとの思い出などを振り返っている。
同作は、名優・監督陣のインタビューで新たな“高倉健像”を浮き彫りにし、貴重なプライベート映像も収録。40年来の付き人である西村泰治氏が、高倉さんのプライベートのエピソードも紹介している。
映画『ブラック・レイン』(89年)で高倉さんと共演したダグラスは「健さんからはシンプルであることの大切さを学んだ」と懐かしみ、さらに「彼には美しい純粋な魂が宿っていた。まず最初に感じたことは彼の謙虚さだ。腰の低さに驚いた」と人柄も絶賛。
高倉さんの主演映画でも有名な小説『君よ憤怒の河を渉れ』を再映画化した『追捕 MANHUNT』を監督するウー監督は、「私が俳優に演技を付ける時は高倉健をイメージする」と語っており、「チョウ・ユンファや、ジョン・トラボルタに演技を付け、トム・クルーズを撮影する時でさえ、高倉健のスタイルを常に意識して、しなやかさ、優雅さ、自信のある動きを彼らに反映させる」と演技指導にも影響を受けたと明かしている。
監督は、米・ニューヨークを拠点とし、写真家としての作品は世界各国の著名なコレクションにも収蔵されている日比遊一氏が務める。「高倉健さんという一人の人間の在り方は、どんなに時代が変わっても日本人として忘れてはならない矜持そのものだと思います。健さんファンに観ていただきたいのはもちろん、『健さん』を知らない若い世代の人たちにとっても『映画俳優、高倉健』との忘れられない出会いになることを、心から願っております」とコメントを寄せている。
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