考古学者のチームはオマーン沖で500年前の難破船を発見した。
16世紀のポルトガルの探検家として知られるヴァスコ・ダ・ガマ(1460頃 ―1524)の艦隊の1隻の残骸がオマーン沖で発見された。中東オマーンの遺産文化省が3月15日、発表した。
ナショナルジオグラフィックによれば、この500年前の難破船は、ヨーロッパのいわゆる「大航海時代」の遺物として発見されたものの中で最古のものだという。大航海時代とは、ヨーロッパ各国が世界の海の交易ルートを発見しようとしていた15世紀から17世紀頃の時期のことだ。ガマは、アフリカ(南岸)を経て、インド洋を通過し、現在の南インド・ケーララ州まで航海した1498年に、インド交易ルートを発見した人物として知られている。
今回見つかった難破船は、恐らくインドへ向かう途中、インド洋のアルハラニヤ島付近で猛嵐に遭った1503年5月に沈没した「エスメラルダ号」の残骸だとみられている。
この場所が発見されたのは、1998年のことだったが、オマーンの遺産文化省による作業は2013年まで開始されなかった。これまでの作業で、難破船が1498年に製造されたことを示す青銅鐘も含めて、2800以上の遺物が発見されている。
この鐘は、これまでに難破船から回収された鐘の中では、最古のものと考えられている。最初に発見したイギリスの会社ブルー・ウォーター・リカバリーズのデイビッド・ミーンズ氏は、タイムズ・オブ・オマーンに「大きな岩の下で発見されました。驚くべきことに500年以上もの間、そこにあったのですよ」と語った。
回収された物品には、陶器、銃器、砲弾、そしてたくさんの金貨や銀貨などが含まれる。なかには、1499年ポルトガル王マヌエル1世に発注され、インドとの交易のために特別に使用された非常に珍しい銀貨「インディオ」も含まれていた。これまでに発見された「インディオ」は、今回のものを含めてたった2枚しかない。
「まるでハリウッド映画の中に出てくるような、驚くべき発見でした」と、ミーンズ氏はAP通信に述べた。
またミーンズ氏によれば、難破船のある場所は、本島から45キロほど離れた殆ど人の住んでいない島の沖だったので、掠奪者などによって難破船の物品が奪われることなく残っていたのではないかとのことだ。
沈没場所での発見を記述した論文は3月16日に、国際航海考古学ジャーナルに発表された。
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
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