環境保護主義者でBBCプレゼンターのクリス・パックマンが、カメラに衝撃的な写真を収めた。ごみのポイ捨てがいかに野生動物に悪影響を与えうるかを、写真は訴えかけてくる。
ハリネズミ―サリー州英国野生動物センター
イギリスのスーパーマーケットチェーンの「リドルUK」は、有料買い物ビニール袋販売から得た収益50万ポンド(約7800万円)を、「Keep Britain Tidy(イギリスをきれいに)」運動に寄付する予定だ。このリドルUKからは、今回の写真は若者のポイ捨て減らすキャンペーンを支援している。
パックマン(54)は言う。「ポイ捨てをする人は、知らないうちに愛すべき野生動物にケガを負わせ、殺しています。私は自然主義者として、人類が自然界に与える悪影響を非常に危惧しています。ポイ捨ては、その様々な悪影響のうちで分かりやすいものの一例にすぎません。しかしそれは見苦しいだけでなく、陸・海どちらの野生動物にも深刻な影響を与えています」。
「カメラのレンズを通してこの問題を深く追求するよう委託されたことを、私は大変嬉しく思っています。自然界が本来持つ美しさを、何の気なしに毎日捨てられているゴミと共にカメラにとらえました。これらの写真を見ることで人々が刺激を受け、人類を豊かにしてくれる素晴らしい多様な野生動物のために何かしたいと感じ、より責任をもってごみを捨てるようになってほしいです」。
アカリス―サリー州英国野生動物センター
カワウソ―サリー州英国野生動物センター
キツネ―サリー州英国野生動物センター
アオガラ―ハンプシャー州ニューフォレスト
死んだカワセミ―ハンプシャー州ニューフォレスト
ハト―ハンプシャー州サウサンプトンのショッピングアーケード
ポテトチップスの袋―スコットランドのローモンド湖
風船―ハンプシャー州ニューフォレスト
ビーチ小屋―ハンプシャー州カルショット
これらの写真は、もうすぐイギリス全体で開催される写真コンテストに展示される。
ポイ捨てが世界に実際どんな影響を与えているのか、若者がこの写真を見て実感できるようになってほしいと、チャリティ団体「Keep Britain Tidy」は考えている。
もうすでに、何人かはパックマンやKeep Britain Tidyに対し自分たちの写真を紹介するツイートしている。
私が見つけたこの子(=ハリネズミ)の写真を追加させて。今にも窒息しそうなくらい重症です。
@クリス・パックマンはこれらの写真を通し、ポイ捨てが野生動物に与える影響をうまく表現している。この写真も、それを表現したものの一例だ。
Keep Britain Tidyの最高責任者、アリソン・オグデン=ニュートンは次のように言う。「多くの子供や若者たちは環境に関心があり、ごみのポイ捨てはしません。しかし、単に環境に関心があるだけではなく、より良い環境に向けて貢献できる世代を作りたいのです。そのために私たちは、有料買い物袋の販売で得た収益を寄付してもらうなどリドルからの支援も受けながら、若者ともっと関わろうとしています」。
リドルUKのCEOロニー・ゴッチリックは言った。「私たちは、食料品の小売業者として、環境に対し真剣に責任を持たなければなりません。今まで買い物ビニール袋を有料にはしてきましたが、この国の素晴らしい自然遺産を守るという長期的な目標を達成するには、やらなければならないことがまだまだたくさんあると思っています。
私たちはこの新しいパートナーシップの発表を誇らしく思っており、共に取り組んで行くことで、ごみを捨てる前にもう一度よく考えてみることを推奨していきます」。
昨年、イギリスでは買い物ビニール袋に対し5ペンス(約10円)の課金が導入された。ウェールズでは2011年以来、使い捨てビニール袋は有料となっている。
ウェールズの統計を使ったpersonalised.co.ukの解説図(下図)によれば、2015年の1年間でイギリスでは使い捨てビニール袋の使用が54億枚減少し(2014年の使用枚数は76兆円)、5ペンスの課金によって4億2500万~5億5千万ポンド(約6兆6700万〜8兆6000万)の収益を上げると予想される。
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
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