アポロ宇宙船の乗組員たちは、月の裏側で「奇妙な音楽」に出会った。月面探査のミッションを背負った宇宙飛行士達は、ヘッドセットから聞こえる「奇妙な音楽」のようなノイズを聞いてとても驚いた。そして、彼らはその出来事を、アメリカ航空宇宙局(NASA)に報告すべきかどうか迷った。
それは、1969年5月。アポロ11号が人類が月に初めて着陸するという歴史的快挙を成し遂げる2ヶ月前のことだった。アポロ10号は月軌道に入り、月の裏側を横切るとき、全ての宇宙船が1時間ほど地上との交信が途絶えることになった。地球からは宇宙船を見ることも、交信することもできない。
ケーブルテレビのディスカバリーチャンネルで2月21日夜に放送された「NASA未解決ファイル」は、3人の宇宙飛行士が月の裏側を飛行中に経験した、不思議な出来事について取りあげた。この3人の宇宙飛行士の会話から、彼らが今までに聞いたことのないような音を聞いたという会話が録音されていたのだ。
「まるで宇宙空間の音楽って感じだな」
「聞こえたか? ウ〜〜〜〜っていう口笛みたいな音」
「ああ、確かに奇妙な音楽だ」
その音は約1時間にわたって続いた。そして地球との通信が回復する直前まで、宇宙飛行士達はコントロールセンターに、この出来事を報告すべきか議論した。
「なあ、信じられないよな……」
「伝えたほうがいいのか?」
「分からない、よく考えてからにしよう」
「アポロ10号のクルーはこの手の雑音には慣れています。論理的に考えれば、何かがそこで録音されているのならば、何かがそこにあったということになるのですが……」。アポロ15号に搭乗したアルフレッド・ワーデンさんは番組でこう語った。
「人々の重大な関心事になりそうだと考えたから、NASAはその情報を隠したんでしょう。この出来事が起こってから何も、一般に知られてこなかったなんて、不思議ですよね。こんなに古い記録ですからでっち上げなのか、それとも実際に何かあったのかと不審に思うでしょう。真実を知ることはできないのですから」。
NASAはテレビで放送された「奇妙な音楽」について、アポロ10号の乗組員、ユージン・サーナンさんの説明を以下のように発表した。
あの出来事を真面目にとるほど、興奮していたのかは覚えていません。あれはおそらく、単なる通信障害でしょう。それ以外の何かだと思っていれば、フライト後に皆にそのことを伝えていたと思います。その出来事について、もう一度考えたことはありませんでした。
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
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