首都圏で10店舗を展開する書店チェーン「芳林堂書店」が2月26日、東京地裁に自己破産を申し立て、破産手続き開始決定を受けた。帝国データバンクなどが報じた。負債は約20億円。事業は書泉に譲渡することで合意しているという。
戦後まもなく創業。1971年にはJR池袋西口に芳林堂ビルを建設し、旗艦店となる池袋本店をオープンした。その後は都心や埼玉県内を中心に店舗を増やし、高田馬場店やマンガ専門のコミックプラザなど10店を運営していた。
99年8月期には年売上高約70億5000万円をあげていたが、長引く出版不況と相次ぐ競合大型店の出店から売り上げの減少が続いていた。2003年には同社のシンボルだった池袋本店を閉店し、翌年にはビルも売却した。業績はその後も回復せず、2015年8月期の年売上高は約35億8700万円と、全盛期の半分程度までダウンしていた。
■取次の太洋社が自主廃業の動き
そんな中、主力仕入先である書籍取次の太洋社が2月5日、自主廃業も想定して会社の全資産の精査などを進める方針を突如として発表した。芳林堂書店は、取次ぎの変更を模索していたが太洋社への未払い債務などの問題もあり難航し、2月初旬から新刊などが書店に入荷しない事態になっていた。負債は債権者約187人に対して、約20億7500万円。
■各地の書店が閉鎖や休業に追い込まれる
東京商工リサーチによると、太洋社の今回の動きに関連して、芳林堂書店以外にも全国的に10の書店が閉鎖や休業に追い込まれることになった。詳しくは以下の通り。
2月12日 友朋堂書店(茨城県つくば市)全3店を閉鎖。外商は継続
2月14日 ひょうたん書店(鹿児島市)全1店を閉鎖。通販事業は継続
2月14日 ブックランドあいむ(愛知県豊橋市)全1店を閉鎖
2月15日 精文館書店(富山市)全1店を休業、3月18日再開予定
2月20日 ブックス書泉(熊本市)全1店を閉鎖。外商や配達は継続
2月25日 Books読書人(長崎市)全1店を閉鎖
2月29日 愛書堂書店(さいたま市)1店は休業へ、今後は未定
2月29日 アミ書店(北九州市)全1店を閉鎖。外商や配達は継続
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