中国政府は宇宙人を探すために、約9000人もの住民を立ち退かせることになった。
世界最大の電波望遠鏡プロジェクト「Fast」を中国は2011年からスタートさせたが、望遠鏡の設置場所である貴州省山間部の住民9110人に補償金を渡して立ち退きさせることになった。国営通信の新華社が2月16日に報じた。
英紙ガーディアンによると「Fast」は直径500メートルもの半球型の巨大アンテナを窪地に埋め込むことで、宇宙空間から知的生命体によって送信されたメッセージなどを受信することを目的としている。電波望遠鏡は2016年9月までに完成する見込み。現時点で世界最大の電子望遠鏡は、直径約300メートルあるプエルトリコのアレシボ電波天文台だが、この大幅に記録を塗り替えることになる。
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CNNによると中国天文学会の武向平理事長は、この望遠鏡が「銀河系外の知的生命体を探索する一助となるだろう」と新華社に語っていたという。
Fastの電波望遠鏡の設置に伴い、設置場所の半径5キロ圏内に住む住民9110人が9月までに立ち退きとなり、対象の住民に対して1人あたり1万2000元(約21万円)の補償金が出される予定だ。ただしAFP通信は、中国はこれまでも、ダムや運河など巨大インフラ事業のために住民を移転させているが、住民の多くからは補償額が少ないとの苦情が出ていたと報じている。
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