暴力団からの離脱者(ヤメ暴)の就労を支援するため、福岡県が元組員を雇った企業に対し、1人につき最大約70万円を給付する制度を、4月から始める方針を固めた。刑務所の出所者に対する制度はこれまでもあったが、暴力団から足を洗ったヤメ暴が対象の制度は全国初だという。2月6日、共同通信などが報じた。
福岡県では、特定危険指定暴力団工藤会(北九州市)のトップらを逮捕した「頂上作戦」以降、暴力団を離脱する組員が急増。しかし、企業側の敬遠などから就労率は低迷しており、新制度で受け皿を拡大させたい考えだ。
(元組員雇用に給付金、福岡県 - 共同通信 47NEWSより 2016/02/06 12:10)
朝日新聞デジタルが、県関係者の話として伝えたところによると、新制度はヤメ暴を受け入れた企業に対し、1人につき
(1)最初の半年間、月額最大8万円
(2)半年経過後は3カ月ごとに2回、最大12万円ずつ
というように、年間最大で計72万円の定着給付金を支給する仕組み。ヤメ暴が職場で事故を起こしたり、行方をくらましたりした場合にも対策が立てられており、修繕にかかった費用や住宅を引き払うための諸費用など、損害に応じて最大200万円の見舞金を雇用主に支払うという。
福岡県警によると、2015年の1年間で県内の指定暴力団から離脱した人は127人と過去最高を記録。一方で、県警の支援によって就労にこぎつけた元組員は10人だった。
組織を抜けても報復される不安があり、離脱後の報復を恐れ、地元での就労をためらう元組員も多い。このため今回福岡県が始める制度の支給対象となる企業は、福岡県に限定せず、全国を対象にするという。
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