『亞書』解読不能な本を国会図書館が返却、136万円の返金請求へ

ギリシャ文字などが無作為に並んでいるだけの謎の本『亞書』計78巻を、国会図書館が返却することになった。
Set of bound books, (B&W), close-up
Set of bound books, (B&W), close-up
George Marks via Getty Images

ギリシャ文字などが無作為に並んでいるだけの謎の本『亞書』計78巻を、国会図書館が返却することになった。すでに納入代金として42冊分の136万円を発売元に支払っていたが、「出版物に該当しない」という判断で返金を求めるという。国会図書館が2月2日、公式サイトで発表した。

平成27年10月以降、『亞書』について、ギリシャ文字等をランダムに配した解読不能な本であるとして、出版の目的等についてインターネット上で話題になったこと等を受けて、発売元に事情を聞き、頒布実態等を調査してきました。

国立国会図書館は、発売元から聴取を行い検討した結果、郵送された『亞書』各巻1冊は、頒布部数が少なく、また、国立国会図書館法に列挙された出版物に該当せず、国立国会図書館への納入義務の対象には当たらないものと判断したため、『亞書』を発売元に返却するとともに、発売元に支払い済の納入出版物代償金の返金を求めることとしました。

(2月2日、新着情報|国立国会図書館―National Diet Library)

朝日新聞デジタルによると、『亞書』は、東京都墨田区にある「りすの書房」が、通販サイト「Amazon」で2015年2月から1冊6万円で発売。112巻まで作成し、最終的には132巻まで出す予定だった。

A5サイズで480ページのハードカバー。各ページとも縦12センチ、横9センチの枠内に解読不能なギリシャ文字やローマ字が並んでいる。国会図書館への納本は法律で義務づけられているが、同館は納本された本の定価の5割と送料を「代償金」として発行者に支払うことが国立国会図書館法などで定められている。ネット上では「代償金目当てでは」と疑問の声が上がっていた。

りすの書房を運営する男性は、朝日新聞社に対し「自分が即興的にパソコンでギリシャ文字を打ったもので、意味はない。本そのものが立体作品としての美術品とか工芸品。長年温めてきた構想だった」などと語っていた

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