1月16日に投票が行われた台湾の総統選で、韓国のガールズユニット「TWICE」のメンバーの一人が、選挙で大きな話題となった。台湾出身のメンバー周子瑜(ツゥイ)が出演したテレビ番組の内容が原因で、大論争を引き起こしたのだ。
韓国紙のヘラルド経済によると、ツゥイは2015年11月、メンバーのモモ、サナ、ミナと共に韓国のバラエティー番組「マイ・リトル・テレビジョン」に出演。各メンバーがそれぞれの出身国の国旗を持つシーンが放送された。
この時、台湾の旗「青天白日旗」を持っていたツゥイを、台湾出身で中国で活動する歌手黄安(ホアン・アン)が批判。「ツウィが台湾独立運動を支持している」と中国版Twitterの微博に投稿し、大きな騒ぎとなった。TWICEには中国のファンからの批判が殺到。TWICEが所属するJYPエンターテイメント(JYP)の他のグループの、中国での活動の契約問題にまで発展した。
これに対しJYPは1月13日、公式見解を発表。「JYPは中国に対し、どのような政治的発言や行為も行わない」「ツゥイはまだ16歳の未成年で、政治的な立場をいう年でもない」などと釈明した。
こんにちはツゥイです。
申し訳ありません。もっと早く私から直接、謝罪すべきであったのに、どうやって今の状況に直面して良いか分からず、今になって謝罪することになりました。
中国は一つしかなく、海峡両岸(大陸と台湾の意味)は一つであり、私は中国人であることをいつも誇りに思っています。
中国人として海外で活動しながら、私の発言と行動の過ちで、事務所や両岸のネットユーザーを傷つけ、非常に申し訳ないと思っています。みなさんにお詫びし、中国での活動を中止し、過ちを反省します。
もう一度、もう一度、皆さんにお詫び致します。申し訳ありません
これに対し、今度は台湾の人々が反発。ネットには「中国の圧力で、屈辱的に頭を下げた」などの意見があふれた。
総統選の候補者もツゥイの発言に言及。支持につなげようとした。
国民党の朱立倫(チュー・リールン)候補は16日未明、自身のFacebookに「16歳の若者に、あまりにも残酷。ツゥイ、帰っておいで」と投稿した。
また、民進党の蔡英文(ツァイ・インウェン)主席も市小学校で投票を終えた後、取材陣に対し、「多くの国民が心を痛めており、怒りまで感じている」とコメント。「ツゥイは強圧的に謝罪させられただけだろう」と述べた。
これまで過剰な親中政策に批判を受けている国民党としては、ツゥイに対する台湾の反応は悪材料となり、国民の怒りは国民党に向いた。馬英九(マー・インチウ)総統は「ツゥイは謝罪する必要がなかった」と会見でコメント。「台湾の国旗を挙げることによって、台湾の独立を主張するものではない」と述べた。
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