ソウルの日本大使館前に立つ慰安婦の少女像をめぐり、韓国政府が別の場所に移転することを検討していると12月26日、報道された。これに対し、少女像を設置した韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)が反発している。朝鮮日報によると、挺対協の尹美香(ユン・ミヒャン)常任代表は、「事実なら国家国論分裂レベル」などとコメント。「韓国政府がそう話したのなら、大きな問題。少女像は挺対協ではどうにもできないほどの公共物として認識されているので、撤去したり移転したりすることは不可能だ」と述べた。
少女像は2011年12月14日、挺対協が日本に慰安婦への謝罪を要求するため、日本大使館前の歩道上に違法に設置した。日本政府は「外交関係に関するウィーン条約」などを理由に少女像の撤去を求めてきたが韓国政府は応じない意向を示していた。
これについて尹代表は「話にならない。日本政府に、本当に解決の意志があるのならば、過去ドイツのブラント首相がポーランドでひざまずいてユダヤ人虐殺を謝罪したように、安倍首相か日本の大使が少女像の前で謝罪するのが正解だ」などと話した。
28日に予定されている日韓外相会談についても、「日本は国会や内閣の決議を経て、国内外に日本政府の謝罪を知らせる方法を取らなければならないというのが私たちの立場である。今回の報道のような状況であれば、韓日首脳会談のように、内容のないものになるだろう」と懐疑的な見方を示した。
さらに尹代表は、Twitterに「韓国政府の外交の無能さ、日本政府の緻密さが見られる」と投稿。「(日本政府の)マスコミプレイにはとてつもなく驚かされる」などと書き込んだ。
尹代表は自身のブログでもマスコミの動きを批判。「岸田外相の韓国訪問のニュースが、日本のマスコミの報道で開始され、韓国メディアも一斉に続いた。外交相手国との重要かつ緊急的な内容を、このようにメディアを使って流し、世論を介して日本政府の立場を固めようとする意図が見える」と分析した。
ブログは韓国人元従軍慰安婦の金福童(キム・ボクトン)さんの話についても触れ、次のように記した。
「私たちの土地に、私たちが立てた像を、どうしてしきりに日本がうるさく指図するんでしょうか? 少女像は私たちの過去の歴史にそのような病的なことがあったことを私たちの子孫が学ぶことによって、再びそのようなことがないように歴史の勉強のために建てたのに。なぜしきりに歴史を消そうとするのかかわからない」
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