岸田文雄外相が12月28日に韓国を訪問し、尹炳世(ユン・ビョンセ)外相とソウルで会談することが決まった。
日韓両政府が25日に正式発表した。前日の27日には、慰安婦問題についての日韓局長級会合も開かれる。日韓間で取りざたされてきた、慰安婦問題の「年内解決」はあるのか。聯合ニュースは「最終妥結へ決定的な分水嶺」と伝えている。
読売新聞によると、日本政府は、妥結が「最終かつ不可逆」的なものであると明記することを求め、韓国側が受け入れた場合は、元慰安婦への人道的支援を行う新たな基金を創設する方向で、尹外相に提案する。朝日新聞デジタルは、安倍晋三首相が元慰安婦への手紙を送ることも選択肢としている。
母体となるのは、「アジア女性基金」のフォローアップ事業だ。
民間基金をもとに政府が運営する形で、1995年にアジア各国の元慰安婦への「償い事業」として発足したアジア女性基金は、2007年に解散したが、現在も「フォローアップ」として、韓国で元慰安婦のケア事業などを続けている。
2015年度予算に1500万円が計上されているが、支援規模が小さいため「10年分の資金を一括して拠出し基金をつくる案もある」と、日本経済新聞は政府筋の話として伝えた。
一方で、韓国ではアジア女性基金の発足当時、元慰安婦を支援する「韓国挺身隊問題対策協議会」(挺対協)が強力な反対運動を展開し、反対の世論が高まったため、韓国政府が協力を拒否した経緯がある。支援団体は日本政府による謝罪と賠償を求めており、韓国政府が日本側の案を受け入れられるかは不透明だ。
岸田外相は28日の閣議後の記者会見で、妥結の見通しについて「相手のあることだ。早期の妥結に向けて全力で取り組んでいきたいと考えている」と述べるにとどめた。
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