ソウルの日本大使館前に設置されている慰安婦を象徴する少女像について、韓国政府が別の場所に移転することを検討していることがわかった。日韓外相は12月28日にソウルで会談し、この問題について協議する見通しだ。共同通信などが25日、報じた。
ソウルの日本大使館前に設置されている慰安婦問題を象徴する少女像(2011年12月14日撮影)
この少女像は2011年12月14日、韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)が日本に慰安婦への謝罪を要求するため、日本大使館前の歩道上に違法に設置したのが始まり。
日本政府は外国公館の品位を維持する義務を定めた「外交関係に関するウィーン条約」に違反しているなどとして、少女像の撤去を求めてきたが、韓国政府は「民間人がすることまで交渉の条件にしている」と反発。2015年11月にも、「民間が自発的に設置したものだ」「韓国国民、さらには国際社会が納得できる解決策を日本が先に提示すべきで、順序が違う」などと述べ、応じない意向を示した。
しかし、岸田文雄外相が韓国を訪問することが決まり、28日に尹炳世(ユン・ビョンセ)外相と最終的な妥結へ向けて協議を行うことになった。協議では、安倍首相が手紙などで元慰安婦へ伝える言葉や、駐韓日本大使による元慰安婦の慰問、元慰安婦への日本政府予算での医療・福祉事業の実施などが議論されるほか、日本側は、慰安婦問題を象徴する銅像を撤去するよう強く求めるという。尹外相は23日、少女像撤去について「本質的な問題に進展があれば、関連する部分も進展があるかもしれない」と述べた。
一方、挺対協の尹美香(ユン・ミヒャン)常任代表は11月、日本に来日した際に、「『平和の碑(ソウルの日本大使館前に建つ少女像)を撤去することを条件に』などの前提条件をつけられたら一歩も前に進めなくなってしまう」などとコメント。「過ちを犯した側が、過ちをいかに認めるかが大事だ。蒸し返さないならば経済支援をする、というやり方では、傷は残ったままだ」などと話していた。
▼クリックするとスライドショーが開きます▼
【関連記事】
ハフィントンポスト日本版はTwitterでも情報発信しています。@HuffPostJapan をフォロー