北朝鮮「モランボン楽団」 特権階級限定の女性グループ、初の中国公演の狙いは?

このライブパフォーマンスを見ることができるのは、常に北朝鮮の高官に限られる。

北朝鮮の金正恩第1書記を映したスクリーンの前でのライブパフォーマンス。ミサイル発射の場面に、観客から万雷の拍手が湧き起こった――。

金正恩第1書記の肝いりで結成された、北朝鮮の女性ポップグループ「牡丹峰(モランボン)楽団」が、12月12日に中国・北京で公演する

韓国の中央日報によると、牡丹峰楽団として初の海外ツアーになる。12月中旬の1週間にわたる中国公演には、北朝鮮軍の男声コーラス隊「朝鮮人民軍功勲合唱団」も参加する。

10月11日、平壌。牡丹峰楽団の公演に参加した朝鮮人民軍功勲合唱団。

北朝鮮国営の朝鮮中央通信によると、金正恩第1書記は2012年、「文学と芸術分野で劇的な変化をもたらすため」、楽団を結成した。楽曲の多くは、「我が国が最高だ」や「党に従います」といった曲名が示す通り、金正恩政権をたたえ、朝鮮労働党に忠誠を誓う内容になっている。中朝関係の専門家によれば、このライブパフォーマンスを見ることができるのは、常に北朝鮮の特権階級に限られる。

楽団の中国出発を、金基南・朝鮮労働党書記やパク・チュンナム文化相、そしてリョム・チョルソン陸軍中将ら北朝鮮の高級官僚が見送ったと、韓国の通信社・聯合ニュースは伝えた。

両国の当局者は、中国公演が文化交流を促進し、両国間の相互理解を深めると語る。中国の外務省は、「親善訪問と公演」が両国民の「友情」を深めるだろう、との談話を出した。

中国は北朝鮮最大の貿易相手国であり、中国共産党は北朝鮮に食料、武器、そして燃料などを提供している。 マサチューセッツ工科大学の2013年の調査によると、中国は輸出入ともに北朝鮮最大の相手だ。10月、両国は中国の国境地帯に貿易特区を設定し、貿易促進に乗り出したと聯合ニュースは伝えた。

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

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