ストーンヘンジは、もともと別の場所にあったという説が浮上している。
考古学の学術誌「Antiquity」に12月7日に掲載された最新調査は、ストーンヘンジの一部は、最初に別の場所で建てられ、そこで数百年を経た後に現在の場所に移動したと主張している。
現在のストーンヘンジはイングランドのウィルトシャーのあり、25トン以上の重さがある直立した石「サーセン・ストーン」と約2トンほどの石「ブルー・ストーン」を中心に構成されている。
サーセン・ストーンはストーンヘンジに比較的近い場所で採石された。一方、ブルーストーンはこれまでウェールズにあるプレセリの丘で採石されたものだと信じられてきた。しかし今回調査を実施した地質学者と考古学者のチームは、採石場所はウェールズの「カーン・ゴードッグ」と「クレイグ・ロス・ア・フェリン」という場所だと発表した。
ストーンヘンジのブルーストーンの一部が採掘されたと考えられているウェールズのクレイグ・ロス・ア・フェリン
「カーン・ゴードッグ」と「クレイグ・ロス・ア・フェリン」はストーンヘンジから140マイル(225キロ)も離れている。研究者たちによれば、それぞれの場所には石を運び出すための区画があり、ヘーゼルナッツと炭の燃えかすが見された。
ヘーゼルナッツと炭の中の炭素を調べた結果、クレイグ・ロス・ア・フェリンでは紀元前3400年、カーン・ゴードッグでは紀元前3200年に採石が行われていたことがわかった。
ストーンヘンジの建設作業は紀元前2900年に始まったと考えられている。つまり石はストーンヘンジが建てられる約5世紀前に採石されたことになる。
調査チームの責任者でUCL (ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン)考古学研究所の教授マイク・パーカー・ピアソン氏はプレスリリースでこう述べている。「石は約500年かけて石をストーンヘンジまで運ばれたのかもしれません。しかし、その可能性は極めて低いと私は思っています」
また、ストーンヘンジの建設がもっと早い時期にスタートしていたいう可能性もパーカー・ピアソン教授は否定している。彼はガーディアン紙にこう述べている。
「私たちは、当時の人々がウェールズに自分たちの遺跡を建てたと考えています。採石場の近くに最初のストーンヘンジを建てたのです。そして私たちが知っているストーンヘンジは2番目のストーンヘンジである可能性が高いと考えています」
最初のストーンヘンジがあった場所がどこか、研究チームは2つの採石場の間に絞り込んで調査している。
「私たちはこのエリア一帯で、物理学的な調査や、試験的採掘、また航空写真を使った分析を行ってきました。その結果、我々は最初のストーンヘンジがあった可能性が高い場所を突き止めたと考えています」と、ボーンマス大学のケイト・ウェルハム教授はプレスリリースで発表している。
「結果はかなり期待できそうです。2016年、大発見があるかもしれません」
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
【関連記事】
ハフィントンポスト日本版はTwitterでも情報発信しています。@HuffPostJapan をフォロー