[カイロ/パリ 14日 ロイター] - 過激派組織「イスラム国」は14日、フランスの首都パリで発生した同時多発攻撃について犯行声明を出した。パリ中心部の各地に爆弾ベルトを身に着けたり、マシンガンを携帯したりした戦闘員を送り込んだとしている。
イスラム国は声明で、今回の攻撃について、フランスが現在の政策を続ける限り、最大の標的であり続けることを示すためだと表明した。
フランスは米国とともに、シリアやイラクで過激派組織「イスラム国」への空爆に参加している。
少なくとも127人が死亡した同事件について、オランド仏大統領は同日、イスラム国がフランス国内の支援を得て組織した「戦争行為」だと非難、「戦争に直面し、フランスは適切な行動を取らなければならない」と語った。
同大統領はまた、犠牲者を追悼するため国を挙げて3日間、喪に服すと述べた。
パリで13日夜、銃撃や爆弾などによるレストラン、コンサートホール、スタジアムなどへの複数の襲撃が市内各地でほぼ同時に発生。
当局によると、パリ中心部のバタクラン劇場では、ロックコンサートの最中に4人が観客に向かって銃を乱射、少なくとも87人が死亡した。その後治安部隊に制圧されたという。
このほか5カ所が攻撃され40人程度が死亡したという。このうちオランド大統領や独外相が観戦して独仏親善試合が行われていたサッカースタジアムの外では2人での自爆攻撃とみられる爆発があった。
パリ検事当局によると、容疑者8人が死亡、うち7人は自爆、1人は警察に射殺されたという。逃亡中の犯人がいるかどうかは明らかにしていない。警察は「テロリストは、(コンサートホールに)押し入る前に複数のレストランのテラス席に向かって銃撃した」としている。
オランド大統領はフランス全土に非常事態を宣言、国境を封鎖した。
乱射が起きたホールでは米カリフォルニアのロックグループ、イーグルス・オブ・デス・メタルのコンサートが開かれていたが、目撃者によると犯人はイスラム教の唱えとフランスのシリア空爆への参加を非難するスローガンを叫んでいたという。
オランド大統領はトルコでの20カ国・地域首脳会議(G20)への参加を取りやめた。
パリでは今月下旬から国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)の開催を控え、テロに対する警戒を強めており、今回の攻撃による衝撃は大きい。
オバマ米大統領は「罪のない市民を怯えさせる卑劣な行為がまた発生した」として攻撃を非難。フランスに対し必要なあらゆる支援を提供していく考えを表明した。
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