「(日本の)女子学生の13%が援助交際を経験している」と、国連の特別報告者が発言した内容は不適切だとして、外務省が発言撤回を求めた。抗議は11月7日付で、9日に発表された。
国連の子供の売買・児童売春・児童ポルノに関する特別報告者を務めるマオド・ド・ブーア・ブキッキオ氏が10月26日、日本記者クラブでの記者会見で発言した内容。当初は「女子学生の3割は現在“援交”をしている」と通訳されたが、のちに13%に訂正された。
外務省は11月2日、「13%という数値の情報源及び根拠を開示すべきである」と、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)に申し入れた。しかし、国連側は同日、「緊急な取り組みが必要なこの現象を強調するために、公になっている推定値に触れました」と釈明した。
「肝心なのは、いわゆる『JKビジネス』が検討を要する非常に深刻な問題であり、これについて公式なデータを早急に集めるべきだという点です。証拠に基づいた予防策を提示するためにも、児童の性的搾取につながる、またその可能性があるJKビジネスその他の活動の拡大範囲、根本原因、影響について総合的な調査を行うことを日本政府と関係当局へ再度要請いたします」
外務省は、この釈明も問題視した。
国連の肩書きを持つ者が発言することにより,それがあたかも事実であるかのような誤解を生むことになり,その影響は深刻であること,緊急に対応すべき問題であることを強調するために根拠に乏しい数字を引用しても良いとの考えや,情報源も明らかにできないような信頼するに足りない情報を,記者会見や報告書で引用することは,到底受け容れられるものではないことを申し入れ,発言の撤回を強く求めるとともに,特別報告者が2016年3月に国連人権理事会に提出する予定の報告書は客観的データに基づくものとするよう申し入れました。
(児童売買,児童買春及び児童ポルノ国連特別報告者に対する申し入れ | 外務省より 2015/11/09)
【関連記事】
ハフィントンポスト日本版はTwitterでも情報発信しています。@HuffPostJapan をフォロー