台湾の総統府は11月3日、馬英九総統が7日にシンガポールを訪問し、中国の習近平国家主席と会談すると発表した。中台首脳の会談は1949年に蒋介石率いる国民党政権が共産党との内戦に敗れて台湾に逃れて以降、初めて。馬総統としては、2016年1月の台湾総統選挙を前に、与党・国民党が進めてきた中台関係強化の成果をアピールするねらいがあるとみられる。朝日新聞デジタルなどが報じた。
馬総統は2008年の就任以来、対中融和路線を促進。2014年2月には、初の閣僚級会談を実現させ、中台首脳会談の開催にも意欲を示していた。
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しかし、翌2014年3月には、中国と調印したサービス貿易協定の承認に反対するデモが激化。学生らも多数参加して、国会に相当する立法院を占拠するなどした。
総統選に向けては世論調査の支持率で、野党・民進党の蔡英文候補が大きくリード。与党・国民党は2015年10月、女性候補の洪秀柱氏から知名度のある朱立倫氏に、異例の候補者差し替えを行った。国民党の馬氏は残り任期約7カ月。選挙の争点は中国との距離を問うことになる。
一方で、中国側からみると、南シナ海でアメリカとの緊張が高まるなか、民進党が政権を奪取すると外交課題がまた一つ増える可能性があるとみられる。アメリカ、ホワイトハウスのジョセフ・アーネスト報道官は3日、「中国と台湾の緊張緩和と、関係改善に向けた取り組みを歓迎する」とコメント。同時に、「会談が具体的にどのようになるか、見ていかなければならない」と会談を慎重に判断する考えも示した。
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ただ、中台双方は互いの統治権を認めていないため、双方がどのような肩書で会談するのかは不明。総統府の報道文は、習主席の肩書を「大陸(中国)の指導者、習近平氏」とするにとどめている。
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