[アンカラ 1日 ロイター] - トルコ総選挙は1日に投開票され、与党・公正発展党(AKP)が過半数の議席を獲得し、圧勝する見通しとなった。エルドアン大統領の権力基盤が強化される一方、社会的な分裂が一層進む可能性もありそうだ。
国営テレビTRTによると、開票率97.5%の時点で、AKPの得票率が49.4%となった。定数550議席のうち、単独で過半数を占める見通し。得票率はAKP内で想定されていた数値を大幅に上回った。
AKP党首のダウトオール首相は支持者に向けて勝利宣言し、「きょうはわれわれの民主主義と国民にとって勝利の日だ。願わくば、次の4年間あなたがたに十分奉仕し、2019年にあなたがたの前に再び立ちたい」と述べた。
AKP幹部はロイターに対し、「われわれの想定を超える勝利だ」と述べた。
一方、トルコ選挙管理委員会のサディ・ギュヴェン委員長は1日の記者会見で、最終的な開票結果は11─12日以内に公表すると明らかにした。この間に各党からの異議について検討することになる。
最大野党・共和人民党(CHP)の得票率は25.4%にとどまり、党幹部は結果を「惨事」と指摘。連立政権でエルドアン大統領をけん制できると踏んでいた望みがほぼついえたとした。
得票率は少数民族クルド人系の国民民主主義党(HDP)が10.6%。トルコの選挙制度では得票率が10%に満たない政党には議席が配分されない。極右の民族主義者行動党(MHP)が12%となった。
今回の選挙結果は、エルドアン大統領を労働者階級の英雄とみなす保守派と、同大統領の権威主義とイスラム主義に懸念を抱く世俗派との対立を悪化させかねない。
クルド人が多数派を占める南東部の都市ディヤルバキルでは、親クルド派野党の支持者が治安部隊と衝突した。
6月の総選挙では、AKPが2002年以来保持してきた単独政権の座を失った。エルドアン大統領は今回の選挙について、政権基盤を再び安定化させるチャンスと位置付けていた。
関連記事