どことなく、ノスタルジックな気分になる秋には、歴史散歩をしてみませんか?
日本には、江戸情緒の残る町並みがたくさんあります。
澄んだ青空のもとで、いにしえの暮らしに思いを馳せてみては?
■街道沿いの宿場町探訪
東海道、中山道、甲州街道、日光街道、奥州街道の五街道に代表される街道は、江戸時代に参勤交代などで使われてきました。
五街道の中でも、中山道の岐阜県から長野県にかけての区域、いわゆる「木曽路」には、今なお当時の面影を残す宿場町があります。
中山道の宿場町
岐阜県中津川市にある馬篭宿は、島崎藤村ゆかりの地。
宿場町の中で、大名や公家などの身分の高い人々が宿泊する本陣をつとめたのが、島崎藤村の実家でした。
長野県塩尻市にある奈良井宿は、中山道の難所であった鳥居峠を控えた位置にあり、おおいに栄えました。
奈良井宿
数ある宿場町は、どれも木造のシックな街並みが特徴ですが、よくみると宿場町ごとに建築様式が異なります。
車で中山道をドライブしながら、宿場町をハシゴしてみると、違いが楽しめますよ。
■小江戸で江戸情緒を味わう
宿場町以外でも、「小江戸」と呼ばれる古い町並みがあります。
有名なのは、埼玉県川越市。
重厚な蔵造りの町並み、そして川越のシンボルである「時の鐘」をはじめ、見どころはたくさん。
特に、川越駅から蔵造りの町並みまでの道を歩くと、現代から大正・昭和初期、江戸へと建物様式が変化していき、見飽きません。
千葉県佐原市も小江戸と呼ばれる街のひとつ。
川沿いに立ち並ぶ柳の木と、古い町並みが風情たっぷりです。
「小京都」と呼ばれる街も全国に数多くあります。「小江戸」と呼ばれる街が質実剛健でシックな印象なのに比べて、「小京都」ははんなりと優雅な印象があります。
■ほかにもある、伝統的な街並み
地方の伝統的な街並みで有名な場所といえば、岐阜県高山市です。
代官が住んでいた高山陣屋や、古い町並みが保存されており、街歩きが楽しい街です。
朝市が開催され、飛騨牛や朴葉味噌などのご当地グルメも美味。4月と10月には高山祭も開催されます。
独自に醸成された、洗練された文化を堪能できる街です。
島根県にある世界遺産の石見銀山にも伝統的な街並みがあります。
このような伝統的な建物の中には、どこでも土産物屋やカフェが入っているものですが、石見銀山の場合はシルバーアクセサリーのお店が多いのが特徴です。
さすが、銀山のお膝元ですね!
いかがでしたでしょうか。
このほかにも全国にさまざまな江戸情緒を感じさせる街はたくさんあります。
ひとつひとつ制覇していくのも面白そうですね。
(気象予報士・ライター 今井明子)
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