各地の公共図書館で指定管理者として業務を請け負っている民間企業「図書館流通センター」(TRC)は、レンタル大手TSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)と共同で手掛ける図書館事業について、協力関係を解消する方向で検討していることがわかった。理念の違いを埋められなかったためだという。10月27日、カナロコなどが報じた。
TRCは全国400館以上の公共図書館で運営を任されている、業界最大手。一方のCCCは、2013年4月にリニューアルした佐賀県の武雄市図書館から、自治体図書館の運営事業に乗り出した。
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TRCとCCCは、共同事業体として神奈川県海老名市から市立図書館2館の運営を任され、10月1日には海老名市立中央図書館を改装オープン。中央館の改装や運営はほぼ全てCCCが担当し、武雄市図書館と同様、書店やカフェを併設する空間が話題になった。
一方で、郷土資料や雑誌バックナンバーの軽視や、分かりにくい本の分類などが指摘され、TRCはこうした点から解消の検討に入ったという。
朝日新聞デジタルによると、TRC広報部は契約解消について、「CCCの独自の図書分類は司書が本を探すのも非常に困難。図書館のあり方として、考え方に折り合いがつかなかった」としており、CCC側も、「申し入れがあったのは事実」と認めている。市などを含めた協議次第では、今後の運営からは、TRCだけが離脱する可能性もある。
なお、2018年にオープン予定とされていた愛知県小牧市でも、両社は共同で新図書館の計画立案に関わる契約を交わしていたが、住民投票で反対多数となり、契約解消を決めていた。
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