クフ王のピラミッド、日本の技術で内部を透視へ 「未知の部屋」発見なるか?

世界最大として知られる「クフ王のピラミッド」の謎が、日本の技術で解明されるかもしれない。
Africa, Egypt, Giza, View of horse standing in front of Pyramid of Khufu. (Photo by: JTB Photo/UIG via Getty Images)
Africa, Egypt, Giza, View of horse standing in front of Pyramid of Khufu. (Photo by: JTB Photo/UIG via Getty Images)
JTB Photo via Getty Images

世界最大として知られる「クフ王のピラミッド」の謎が、日本の技術で解明されるかもしれない。

エジプト考古省は10月25日、地球に降り注ぐ宇宙線を利用し、国内のピラミッド内部を調査すると発表した。日本の最新デジタル技術を活用して、破壊せずに内部の構造を把握する試みで、未知の部屋が見つかれば、世紀の大発見につながる可能性がある。産経ニュースなどが報じた。

NHKニュースによると、今回の調査には、エジプトと日本、それに、フランスとカナダの計4カ国の研究チームが参加。日本チームは、宇宙から降り注ぐ「宇宙線」と呼ばれる粒子が大気と衝突した際にできる、「ミューオン」という素粒子の一種を利用するという。

ミューオンには、岩などの物質を通り抜ける性質があり、ピラミッドを通り抜けたミューオンを観測することで、レントゲン写真のように内部の構造を透視できる。この技術は、日本ではこれまでに、火山の観測や、東京電力福島第一原子力発電所の建屋の調査に活用済みだ。

カイロで開かれた会見で、名古屋大学の森島邦博(もりしま・くにひろ)特任助教は「素粒子実験で開発した技術を別の分野でも利用できるのは有意義なことだと思う」と話したという。

時事ドットコムによると、調査対象となるのは、首都カイロ近郊ギザにあるクフ王のピラミッドのほか、ダハシュールの「屈折ピラミッド」。約4500年前にクフ王の父、スネフェル王が建造して言われており、上半分と下半分で傾斜角が異なる特異な外観が特徴だ。クフ王のピラミッドと並んで世界遺産に指定されている

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