経営権を巡る争いが続く製菓大手ロッテで、日本のロッテホールディングス副会長を解任された重光宏之(韓国名・辛東主)氏が、新たな反撃に出た。
宏之氏は10月14日、ロッテの支配構造の頂点に立つグループ企業「光潤社」の株主総会を東京都内で開いた。弟で韓国ロッテ会長の重光昭夫(辛東彬)氏を取締役から解任した後、取締役会を開き、宏之氏を最高経営責任者(CEO)に指名した。ブルームバーグが伝えた。
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光潤社は、菓子の包装材を製造する1967年11月設立の小規模な会社だが、日本ロッテHDの28.1%を保有する最大株主だ。日本ロッテHDは韓国ロッテグループのトップにあたる「ホテルロッテ」の最大株主になっており、日韓をまたぐロッテグループの複雑な資本構造の中で、光潤社が頂点に立っている。
宏之氏は、光潤社の過半数にあたる50%+1株を保有する。聯合ニュースによると、宏之氏は株主総会終了後「個人としてもロッテHDの1.62%を保有しており、(光潤社と合わせて)約30%を持つロッテHDの最大株主として、ロッテの問題を立て直し改革していく」とコメントした。
ロッテはこれまで、創業者の重光武雄(辛格浩)氏の長男・宏之氏が日本、次男・昭夫氏が韓国の事業を分担してきたが、2015年1月にロッテHDが宏之氏を解任。8月には武雄氏を、代表権のない名誉会長にすえる人事を決めた。一方、武雄氏は昭夫氏を相手取り、人事の取り消しを求めて日本の裁判所に提訴していた。
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