国際医療NGO「国境なき医師団」は10月3日、アフガニスタン北部のクンドゥズにある診療所が同日未明、数回にわたり爆撃を受け、スタッフ3人が死亡したと発表した。30人以上の安否が不明。現地では反政府勢力タリバンと政府軍が交戦中で、アメリカ軍が空爆を行っていた。アメリカ軍は、誤爆した可能性があるとみて調べているという。朝日新聞デジタルなどが報じた。
国境なき医師団のオペレーション・ディレクターを務めるバート・ジャンセン医師は「患者とスタッフが被害を受け、病院も破壊されたことに非常にショックを受けています。被害者数はなお確認中です。負傷者の治療と犠牲者への対応を続けています。すべての紛争当事者に対し、医療施設とそこで活動しているスタッフの安全を尊重するように強く求めます」とコメントしている。
クンドゥズではタリバンと政府軍の戦闘が本格化。タリバンは一時、クンドゥズを奪還したと発表していた。国境なき医師団はこの都市で負傷者394人を治療してきた。空爆が始まった10月3日未明の時点で、外傷センターの敷地内には、患者105人とその付き添いの人々、それにスタッフ80人以上がいたという。
空爆で炎上するクンドゥズの「国境なき医師団」の診療所(10月3日)
【UPDATE】死亡者は19人に 司令官がガニ大統領に謝罪
「国境なき医師団」は10月3日、今回の空爆で12人のスタッフと、少なくとも7人の患者の計19人が亡くなったと発表した。19人のスタッフを含む37人が負傷した。「この攻撃は国際人道法の重大な違反だ」と同団体は指摘している。
また、朝日新聞デジタルによると、アフガン駐留アメリカ軍の報道官は同日、声明を発表。「国境なき医師団」が空爆があったとする時間とほぼ同じ時刻に、アメリカ軍が空爆を実施したことを確認した。「現場近くの医療施設に副次的な被害が出たかもしれない」と述べ、誤爆の可能性を示唆。調査を始めたことを明らかにした。
さらに、アフガン大統領府として、誤爆の疑いで事実関係を調べていた駐留アメリカ軍の司令官が同日夜、ガニ大統領に電話し、謝罪したと報じた。(2015/10/04 09:44)
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